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質問(2)治療実績豊かな病院・医師を選んで
心筋焼灼術、失敗の可能性は?
Q:不整脈の一つ、心房細動のことでお尋ねします。血管にカテーテルを通して不整脈の原因部分を焼く「カテーテル・アブレーション」(心筋焼灼術)では、失敗することもあると聞きますが、どうなのでしょうか?
A:カテーテル・アブレーションは、カテーテルを専門とする循環器内科医が行いますので、僕は心臓外科医なのでやりません。心房細動の持病を持つ患者さんは多くおり、70歳以上で13%と言われます。
カテーテル・アブレーションの治療成績は上がっていますが、どこで受けても良いという訳ではありません。動いている心臓で不整脈を誘発しながら悪いところをしっかり見て、原因を切ります。成功の可能性は高いのですが、医師の腕が物を言います。
個人的には、神奈川県の横須賀共済病院、茨城県の筑波大学病院、群馬県の県立心臓血管センター、東京都の東京医大八王子医療センターなどが、治療実績が豊富です。やはり、病院、医師が、どのくらいの治療実績があるか、調べてから治療を受けてほしいです。
信頼できる医師はどれくらい?
Q:最近、検査・診断機器や検査方法が非常に進歩しています。それらを十分に使いこなせて、本当に信頼できる医師は、どのくらいいると思いますか。
A:病気の診断する能力においては、9割ほどの部分で診断機器の力が占めているのではないでしょうか。しかし、残りの1割は、医師の経験、知識が発揮されます。やはり、医師の力は大きいと思います。
9割の医師が非常に優秀だと思いますが、やはり、それほどではない医師もいます。開業医の先生は、自分で借金して医院を開いていますから、やっぱり目の前の患者さんに半端なことはできない。だから開業医さんは、それなりのしっかりとした真摯な態度で患者さんに接していると思います。
一方、大病院ではどうでしょうか。私は心臓の専門病院に勤務していますが、ほかの病院で診断を受けたのに、手術はうちに回ってくるケースがあります。ほかの病院は、リスクがある手術をやらない。「あなた80歳だからもう手術やらない」と言うこともあるそうです。患者さんのリスクじゃなくて自分たち病院や医師のリスクですよね。
私が手術した患者さんで、2年ぐらい経過を診ていたら胃がんが見つかりました。胃の手術をしてくださいとある外科病院に手術を頼むと、その外科の先生が「よく見つけましたね。手術しましょう」と言ってくれて入院。しかし、麻酔科医が「心臓の手術をしたから(リスクがあるので)麻酔できません」と言うのです。
心臓の手術は成功してバイパス血管に血液はちゃんと流れているのに、なんて失礼な奴だ、と思いますよ。その患者さんは手術が受けられず、別の病院で心臓の専門の麻酔科医の先生に来てもらって手術をしたそうです。やはり、病院選びは大切ですね。(終わり)
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