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今こそ考えよう 高齢者の終末期医療

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高齢者は死を恐れない

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 これまで私たち医師は、高齢者には死について話さないようにしてきました。怖がらせてしまうと思ったからです。しかし、実際には、死について話しても多くの高齢者は怖がることはありません。むしろ、死に対して自分の意見をはっきり言ってくれます。

 ある88歳の女性患者さんは、胆石による胆嚢炎を何度も起こして、入退院を繰り返していました。再発を防ぐには胆のうを摘出するしかないことを家族に説明すると、「本人の意向に任せる」との事でした。本人に手術の話をしてみると、「自分はもう十分に生きた。これ以上は生きていたくない。友達もみんな死んでしまった。早くお迎えが来て欲しい」と言いました。私が「死ぬのは怖くないのですか」と聞くと、「全然怖くない。時々、死んだ友達が足もとに遊びに来る」と答え、死を達観しているように見えました。

 また、外来通院している高齢の認知症患者さんに「人間は誰でも、死が近くなると食べたり飲んだりすることができなくなる。しかし、現代の医療は、鼻から管を入れたり、胃に穴を開けたりして、栄養を入れることができる。そうすると数年長く生きられる。意思表示できる今のうちに、経管栄養を希望するか、しないかについて、自分の意見を言っておくほうが良いですよ」と説明すると、ごく少数の人は「わからない」と答えますが、残りの人は「そんなことをしてまで生きていたくない」と言います。認知症があっても自分の生き方について意見を言えるのです。

 
オーストリア・ウィーン郊外の音楽家墓地。筆者とお墓(左側:ベートーベン 中央:モーツァルト 右側:シューベルト)

 そして、このような話をしても気持ちが落ち込む患者さんはいません。むしろ、「自分の希望を言えてよかった。これで心配がなくなった」と言います。高齢者は、私たちが考えている以上に死を自然なこととして受け止めているのではないでしょうか。


 どのように人生を終えるかは重要なことです。高齢者の気持ちへの配慮から、その希望を聞かないでいると、本人が望まない医療が行われてしまう可能性があります。普段からどのような死を迎えたいか等について、家族で話し合うことが大切だと思います。(宮本礼子)

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201206終末期ブログ_サブナビ

宮本顕二、宮本礼子

宮本顕二(みやもと けんじ)
1976年、北海道大学医学部医学科卒業
北海道大学大学院保健科学研究院機能回復学分野教授

宮本礼子(みやもと れいこ)
1979年旭川医科大学卒業
桜台江仁会病院(札幌市)認知症総合支援センター長

ブログは2人が交代しながら書いていきます。

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14件 のコメント

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自分で死ぬ権利もあると思う

たいたい

最近はやっと「長く生かしておく」のではなく、延命治療を制限する意見が出るようになりましたね。まだまだ少数意見かもしれませんが、多くの場で、堂々と...

最近はやっと「長く生かしておく」のではなく、延命治療を制限する意見が出るようになりましたね。
まだまだ少数意見かもしれませんが、多くの場で、堂々と議論されることを期待しています。
私は、68歳で、まだまだ健康で、家族面でも、経済面でも恵まれていると思っていますが、もう充分にしたい事は出来ました。
これ以上、無理には生きていてもお役に立つことも少ないので、それなりの病気や事故で、不自由な身体になった時には、積極的な安楽死を希望しています。
残念ながら、安楽死に手を貸してくれる医者はいないようですので、自分で手段を考えてはいます。
医者なら、楽で、確実な安楽死も実現できるでしょうから、
積極的な安楽死をタブー視せず、議論できる日を望んでいます。
また、もう死んでも良いと思っている老人への医療・介護よりも、若い人たちが元気に、生き生きと暮らせるための施策へお金を回すべきと思っています。

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本人の意思が大前提

あいこっち

78歳、糖尿病性腎不全の母を持っています。維持透析の意味も理解できず、いつかは以前のように元気に旅行でもできるのでは期待をしています。 「透析す...

78歳、糖尿病性腎不全の母を持っています。維持透析の意味も理解できず、いつかは以前のように元気に旅行でもできるのでは期待をしています。


「透析すると楽になるからねぇ」の一言に期待してしまったのです。医療従事者は言葉を濁さず本人に説明して欲しかった。


透析した日は声も出ない程疲れ切っています。チューブ挿入箇所は感染症で腫れ、頻繁に差し替えているせいで痣のようなものが体中にあります。


それでも期待して生きながらえている母の姿は、見るに堪えないものです。


しかし、できることは全てやってあげたいと思う周囲の気持ちを置き去りにしてまで、「自然がいい」「延命治療はいらない」と本人であろうと一概に言えるものではありません。


夫を自死で亡くし、自分の命を自分で決めたのだからと諦めるしかなかった遺族です。本人の意思がどこまで大切か、それだけで決められるものなのかどうしても答えが出ません。

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100%絶対に訪れるもの

ある医療従事者

世の中には「100%絶対に」と言い切れるものはあまりありませんが、‘人の死’は「100%絶対に」訪れるものです。 絶対に...

世の中には「100%絶対に」と言い切れるものはあまりありませんが、‘人の死’は「100%絶対に」訪れるものです。

絶対に訪れる自分の死に際をどうするかぐらいは、自分で決めておきたいものです。


ドナーカードじゃないですけど、自分が延命治療を望むかどうかを示しておけるエンジェルカードみたいなものがあればいいですよねえ。

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