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[どうなる食品表示](3)見えないアレルギー物質

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個別、一括、絵入り…表現混在

市販されている食品のアレルギーの任意表示。使っている原材料の表示もあれば、使っていない原材料のものもある

 安全に関する食品表示に食物アレルギーがある。命の危険もあり、消費者庁の表示一元化検討会でも「特に重要」と位置づけられている。だが、現行の表示には課題もある。

 NPO法人「アトピッ子地球の子ネットワーク」(事務局・東京)事務局長の赤城智美さんは、卵アレルギーだ。表示を見て買った駅弁で、呼吸困難になった経験がある。

 原材料表示には「卵」とあった。卵焼きが入っており、「この卵のことか」と思って避けたが、おかずの「えびしんじょ」のつなぎに卵白が入っているとは分からなかった。

 食物アレルギーの表示は2001年から義務化が始まり、現在は7品目(卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)の食材を使った食品には、必ず表示が要る。18品目(あわびやいかなど)を使った食品には表示が奨励されている。

 問題は、表示の仕方によって危険が見えない場合があること。特定原材料と呼ばれる7品目を使ったら、原材料表示に書くのが義務だが、「個別表示」と「一括表示」の二つの形がある=図参照=。個別表示は「ハム(卵・豚肉を含む)」など食材ごとに書く。一括表示は「原材料の一部に卵、豚肉を含む」と最後にまとめて書く形だ。同じアレルギー物質名が何度も出てくる場合、省略も認められている。

 赤城さんは、表示を見て「卵焼きを避ければOK」と誤解し、症状が起きてしまった。「おかずごとの個別表示なら食べられないものを見分けられたかも」と赤城さん。でも実際は、一括表示や省略した商品が多いのが現状だ。

 原材料の義務表示に加え、事業者が独自に情報を伝える「任意」のアレルギー表示もある。表や絵で分かりやすく伝える工夫をした商品も多い。しかし、様々な表現があり、まぎらわしい面もある。

 「卵、小麦粉を使っていません」と使わないことを強調した表示もあれば、「卵、小麦粉を使っています」と逆に使っていると知らせる表示もある。25品目全部を表で示して使用の有無を色分けした表示もあれば、7品目のうち使っているものだけの表もある。

 「同じ工場で小麦を含む商品を製造」など製造過程でアレルギー物質が混入する危険を伝える商品がある一方で、混入の危険がありそうな商品でも表示がない場合もある。「表示だけからは、事業者がどこまでアレルギーに注意を払っているのかが分からないのです」と赤城さん。

 NPO法人「食物アレルギーパートナーシップ」では、食品企業や流通業者、患者団体らが一緒に、分かりやすい表示を検討している。「基本的に『使用している原材料』を表示」「表示対象とするアレルギー物質を明確にする」ことなどの推奨事項をまとめた。

 検討会では、量り売り販売の総菜や外食などにもアレルギー表示の拡大を検討中だ。だが、今の表示で情報提供が十分かの議論は深まっていない。患者の症状には個人差があり、必要な表示も違う。どこまで国がルールを決め、事業者にどの部分を任せるのか、表示のあり方が問われている。

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