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成年後見制度で親を支える

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 親が認知症になり、財産や生活が心配です。成年後見制度が役立つと聞きました。どんな制度ですか?

財産管理や契約を代行

作図・デザイン課 大高尚子

 認知症などで判断能力が衰えると、不動産の売買や介護サービスの契約を自分で行うことが難しくなる。高額な商品を買わされる悪徳商法の被害に遭うケースも多い。

 成年後見制度は、認知症のほか、知的・精神障害などで判断能力が不十分な人を、法律面から支える制度だ。判断能力が不十分になってから利用する「法定後見」と、そうなった時に備えて、能力があるうちに自分で任意後見人を選んで契約しておく「任意後見」がある。ここでは、法定後見を利用する際の手続きなどを見てみよう。

 利用するには、まず、地元の家庭裁判所に申し立てる。申し立てには診断書、戸籍謄本などが必要で、費用は2万~3万円程度。判断能力を確認する必要があれば、医師が鑑定を行う。この場合、さらに5万~10万円程度かかる。

 誰が後見人になるかは、家庭裁判所が決める。現在、約6割が親族だが、弁護士や司法書士、社会福祉士などが担う例も増えている。弁護士などの専門職が後見業務を行う場合、月2万円程度の報酬が必要とされるが、具体的な額は、管理する資産などをもとに家庭裁判所が決める。

 後見人は、たとえ親族であっても、財産の流用などは認められない。不適切な管理が見つかれば、民事、刑事責任を問われることもある。

 後見人の仕事は、本人の生活や心身の状態に配慮しながら、本人に代わって相続の手続きや不動産の処分、預貯金の管理、介護施設の利用契約などを行うことだ。悪徳商法の売買契約を取り消すこともできる。支援を受ける人の判断能力に応じて「後見」「保佐」「補助」の三段階があり、「後見」の権限が最も大きい。

 2000年に始まった成年後見制度の利用者は増えており、11年の申し立ては3万1402件。だが、認知症高齢者が200万人以上いるため、まだ不十分だとの指摘もある。

 後見人の確保も課題だ。核家族化や高齢化で親族のなり手は減っている一方、専門職の数は限られている。やりがいを求める一般市民が研修を受け、後見人を引き受ける「市民後見人」の養成など、多様な担い手作りも求められている。(小山孝)

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