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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

働くのは母親のわがままか

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 関東で桜が咲き始めた、と思ったら一気に満開になりました。週末に娘を抱っこして家族で花見に行きました。何歳くらいになったら桜の季節の素晴らしさが分かってくるのでしょうね。

東京に帰ってきました

 今月初めに小児科に行き、ヒブ、肺炎球菌、ロタ、B型肝炎の2回目と3種混合の1回目の予防接種を受けたあと、里帰りを終えて東京の自宅に帰ってきました。ベビーベッドが届いて、自宅はすっかり子育て仕様です。

 夫の帰りが早い時は夕飯を作ってもらったり、一緒に娘をお風呂に入れたりして何とかこなせているのですが、帰りが遅い時は1人で全部しないといけないので、もともと家事能力の低い私には大変です。ごみ一つ捨てに行くのに娘を置いて行くわけにはいかないので、すんなりと行きません。慣れると何とかなるものだと信じたいです。

初めての保育園

 
院内保育園でくつろぐ娘

 里帰りの終わりと共に、少しずつ社会復帰しています。大学院に通ったり診療をしたりですが、娘をみてもらう人を確保するのが懸案です。今のところ実家の母にみてもらったり、クリニックの院内保育園に入れたりしています。

 里帰り中に娘を実家の母に預けて出かけることはありましたが、知らない人に預けるのは初めてでした。そのクリニックの院内保育園はスタッフの子供が数名いるだけなのですが、復帰初日に他の子供達が病児保育の方に行ってしまっていたので、ベテランの保育士さんが1対1でみてくれました。昼休みに授乳に行くこともでき、娘はずっとご機嫌でした。

 しかし、このような恵まれた条件の職場ばかりではないので、家の近くの保育園に入れるようにならないと全面復帰とはならず、それは少し先になりそうです。

 両親が働いている子供のための保育園ですが、保育園に入れない待機児童の多さが常に社会問題となっています。おびただしい数の子供達が保育園に入れず、母親たちは働くことができずにいるそうです。国は少子化の解消が急務だと言いながら、改善の兆しがないのはなぜなのでしょう。

 同時期に妊娠した近くに住む友達が保育園についていろいろ調べて教えてくれたので、自分ではあまり勉強することのないまま、結局その友達の子供と一緒に近所の認可外の保育園に入ることになりました。区立や認可の保育園に比べると少し高めなのですが、自宅から非常に近いところにあるので助かります。

 かわいい娘を預けて働くことに抵抗もありましたが、すでに子供を預けて働いている女医さん達から「保育園は、家庭では作ることのできない環境を子供に与えてくれる」「保育園は素晴らしいところだよ」という話を聞き、少し安心しました。

「預けるなんてかわいそう」

 しかし、一世代上の人たちは特に、「子供は母親といるのが幸せ、預けるなんてかわいそう」という考えが根強いようです。最近仕事で出会った人に「子供を預けて働くのは、母親のわがままであって、子供は被害者だ」というようなことを言われました。その人に頼まれた仕事のために私は子供を預けることになっていたので少し驚きましたが、その人は正直に言っただけで、そのように考えている人は少なくないと思います。

 子供を預けて働く人には、みなそれなりに理由があると思います。経済的な理由はもちろん、キャリアややりがいを失いたくないということもあるでしょう。医師になったということは医師になりたかった誰かを1人蹴落として医師になったということですから、働くことが社会に対する責務であると私は考えています(もちろん本人の意思に反して他人に強制される謂れはありません)。

 母親が働くことを単なるわがままとみなすのはあまりに一面的だと思います。

 私の印象に強く残っているエピソードが一つあります。ご両親が共働きだった先輩の結婚式の花嫁の手紙で、「お母さんは忙しくていつも参観日に来ることはできなかったけれど、私はそれが誇らしかった。私もお母さんみたいにずっと働きたい」と先輩が言っておられたのです。ずっと一緒にいてあげられなくても、娘の憧れとなるなんて、なんとかっこいいお母様でしょうか。

愛情だけは伝わりますように

 私にとっては、子育ても子供を預けて働くことも初めてのことで、娘にとって何がベストなのか分からないし、自分の選択に自信があるわけではありません。将来娘に「もっと普通のお母さんのもとに生まれたかった」と言われたらどうしようと、実は妊娠中から思っていることです。でも、こればかりは分からないので、手探りで頑張るしかありませんね。どうか愛情だけは伝わりますように・・・。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、性科学者。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)について、詳しくはこちら

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19件 のコメント

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女性って・・

とも。

一人目流産・男の子(3)女の子(1)の共働き家庭です。随分と前の記事、コメントを拝見してモヤモヤ~として投稿しました。自身が流産した直後に職場の...

一人目流産・男の子(3)女の子(1)の共働き家庭です。
随分と前の記事、コメントを拝見してモヤモヤ~として投稿しました。

自身が流産した直後に職場の同僚が妊娠したときは何とも言えない感情でどろどろしたものです。
彼女の前では笑顔で接してて心は・・・・。
大切にされて時短勤務もさせてもらって!って。

そして自身が妊娠、出産を経て職場復帰。
なんだろう・・どうしてこんなにも働くお母さんの味方?になれるんだろうか。

妊活中は妊婦さん、お母さんに対していい感情は持てなかった。
今なら共働きで何か悪い!!となる。

女性を働きづらくさせてるのはおんなじ女性なのかな。

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保育士のムスメ

haz

わたしのママは保育士さんです。母の勤務地が家から近かったこと、母方の実家の近所に住んでいたことや、わたしが一歳になったころからは母方の実家に同居...

わたしのママは保育士さんです。
母の勤務地が家から近かったこと、母方の実家の近所に住んでいたことや、わたしが一歳になったころからは母方の実家に同居していたこともあり、ほぼおやすみなしで母は働いてました。

今年の春、定年ギリギリまで現場で働いていたから、同じ仕事を30年以上続けたこと自体、本当にすごいことだなあと尊敬してます。

もちろん家族の理解はあるほうだと思うけど、彼女の場合、『保育が好き!こどもが大好き!』ということが一緒に暮らしていてもわかったから、
ずっと応援してました。

わたし自身も保育園にゼロ歳児のころから通ってますが、未だに一年に一度、同じクラスの子達と母の日に集まることが定番のイベントです。

保育園、すっごい楽しかったですよ。
節分のときの鬼が怖くて泣いたなとか、おみせやさんごっこが楽しかったなとか、飼育してたウズラやチャボのこと、未だにいろんな思い出があるし、本当行かせてもらって良かったなあと思います。

二月に結婚して、子供もほしいし、トライしてみてる最中ですが、仕事をどうしようか、というのは私もすごく悩み中です。わたしの職場には子供がいる女性が居ないのです。

自分自身楽しかったし、保育園に預けることは
全然抵抗無いんですが、仕事しながら子育てできるのかな、という不安はなくなりません。
でも幸い?夫も私も楽観的なので、まあできたら考えよう!引越すとか!仕事とか!というスタンスです。

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共働き

うさかめママ

私には、3人の子供がいます。ずーっと働いています。夜勤もします。その時は、パパさんが、炊事家事します。子供らのお弁当も作ります。お互い様です。夫...

私には、3人の子供がいます。ずーっと働いています。夜勤もします。その時は、パパさんが、炊事家事します。
子供らのお弁当も作ります。
お互い様です。夫婦協力しないと
経済的なこともあるけど、社会の一員でいたい、所得税払って国に貢献したい。
保育園とてもいい所です。私も、保育園育ちです。デメリット見当たりません。子供にとって最初の社会です。困ったときは、すぐ育児のプロに アドバイスが受けれます。

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