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新年度の社会保障…「負担増」「給付減」厳しい春

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4月以降こう変わる

 もうすぐ新年度。4月以降、年金の減額や介護保険料の引き上げなど、社会保障制度の様々な改正がある。生活に直結する事項をまとめた。

年金

 4月から、基礎年金、厚生年金とも今年度と比べて0・3%減額される。前年の物価変動率に応じて年金額を改定する「物価スライド」によるものだ。

 基礎年金(40年加入)は、今年度の月額6万5741円が200円減額の6万5541円になる。

 厚生年金の「モデル世帯」では夫婦2人分の基礎年金と夫の厚生年金を合わせた受給額が今年度の23万1648円から708円減の23万940円に。平均的な賃金で40年間働いた男性と、その間ずっと専業主婦の妻という世帯を想定した。

 4、5月分の年金は6月に支給される。実際に受取額が変わるのは6月から。

 今年は特別に10月にも0・9%の減額が予定されている。過去の物価下落時に減額しなかった分を是正するためで、基礎年金はさらに600円、標準的な厚生年金受給世帯の受給額は2000円程度下がる。

 一方、現役の自営業者などが支払う国民年金保険料は、月1万4980円と40円下がる。

医療

 中小企業の従業員や家族らが加入する「協会けんぽ」(全国健康保険協会)の保険料は、全国平均で賃金の10%(労使で半分ずつ負担)となり、11年度の9・5%から0・5ポイント上がる。月収28万円、賞与1・37か月分の平均的な加入者でみると、本人負担分は月780円増える。高齢者医療制度への拠出金が大幅に増えたことが影響した。

 保険料率は都道府県ごとに異なり、12年度の最高は佐賀県の10・16%、最低は長野県の9・85%。東京は9・97%。

 一方、75歳以上の高齢者らが加入する後期高齢者医療制度でも4月から保険料が改定され、1人当たり平均保険料は43都道府県でアップする。

介護

 介護保険料も上昇する。65歳以上の高齢者が支払う保険料(全国平均)は、現在の月4160円が4月からは月5000円程度になる見通し。高齢化に伴う介護給付費の増加が原因だ。

 保険料は市町村ごとに決まり、同じ市町村でも本人や世帯の所得によって異なる。通常、6月ごろに市町村から新しい保険料額を知らせる通知が届く。

 40~64歳の現役世代が支払う保険料も、1人当たり平均で過去最高の月4697円になる見込み。11年度より181円高くなる。ただし、個別の保険料額は本人の所得などによって異なる。会社員は原則として労使で半分ずつ負担する。

 一方、4月から新サービスとして、24時間対応の訪問サービスが月々定額の利用料金で導入される。ヘルパーや看護師が1日に複数回訪問するほか、利用者の呼び出しに応じて駆けつける。最も重い要介護5の場合で利用料は月約3万円。現在の訪問介護は利用回数が増えれば負担も増えるが、新サービスでは料金の心配をせずに必要な訪問を受けられる。ただ、当面は導入する自治体は一部にとどまりそうだ。

子ども

 現行の「子ども手当」は4月から新制度に変わる。名称が以前の「児童手当」に戻るほか、6月分から所得制限が導入される予定。

 支給額は今の子ども手当と同額で、3歳未満は月1万5000円、3歳から小学生の第1子と第2子が月1万円、第3子以降は月1万5000円、中学生は一律月1万円。6月分以降、高所得世帯は子供1人当たり月5000円に減る。夫と専業主婦の妻、子供1人の世帯なら年収917万8000円以上で対象になる。

 手当は4か月分まとめて支給される。所得制限の導入後の6月分~9月分は10月に支給される。

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