いきいき快適生活
介護・シニア
手軽に頼める 家事代行サービス
週一で月3万4000円…単身者の利用急増
家政婦を雇えるのは、テレビドラマの中だけの話と思っていたが、最近は手軽に頼める「家事代行サービス」が増えている。仕事のほかに、炊事、洗濯、掃除……と、家事に追われていては自分の時間が持てない共働き世帯はもちろん、単身者や高齢者などにも使い勝手がいいプランが豊富にある。(経済部 岩城択)
2歳7か月の男児を抱える東京・目黒区下目黒の女性会社員(37)は「たまった家事で休日もクタクタ」とこぼす。そこで、家事代行会社「ベアーズ」のサイトで、自分自身がしている家事の「月給」を診断したところ、「28万7791円」と出た。「こんなに頑張っていたのか。ちょっとは人に頼もう」と代行サービスを使うことを決めた。
ベアーズでは、電話での相談以外に、東京・自由が丘に開いた業界初の窓口店舗で、対面で相談ができる。利用者の7割を占める「デラックス」コース(契約1年間)は、留守中の掃除などの家事も頼める。週1回・2時間、スタッフ1人で月約3万4000円(交通費含む)になる。
最初に自宅で社員と家事内容を打ち合わせ。夕方から掃除や洗濯をして、それから子どもの帰宅を出迎え、夕食を作って親に引き継ぐ――といったプランを決めていく。利用者の意向で担当スタッフは20~60代の女性から選べる。
ギフトにもできます
「カジタク」は台所や浴室、エアコンの清掃など14種類のパック商品(最多価格帯・1万2600円)が、ビックカメラやイオンなどでチケットなどを購入でき、自分以外の人への贈り物にもできる。
「ダスキン」のウリは水回りの水気をすべて拭き取るなどの徹底清掃だが、注文が急増しているのが、単身者世帯の掃除や布団干しなどだ。
部屋の片づけや収納もやってくれる「ミニメイドサービス」は、レギュラー料金が1回・2時間半で1万1655円。月額15万円以上も利用する客も多いという。
京王電鉄も沿線住民などに家事代行をしている。21日からは、買い物の付き添いや、不在時の家事代行もする。
野村総合研究所の武田佳奈・主任コンサルタントは女性の需要だけに限定しても家事代行の将来市場は現在の約6倍の1720億円に膨らむと予測する。だが、国民生活センターには「掃除が期待外れだった」などの苦情も。家事代行の「フラオ グルッペ」(東京・渋谷区)を経営する生活評論家の沖幸子さんは「リピーター率などが一つの目安。細かな説明を行い信用できる業者を選んで」と話す。
親孝行もお手伝い
「ニチイ学館」は、ヘルパーの資格を持つスタッフが、在宅介護のサービスに引き続いて、介護保険適用外の行為である、「介護する人の話し相手」や「家族への料理」もしてくれる。高齢者から、旅先の旅館での入浴介助を頼まれることもあるそうだ。
「セコム」に頼むと、月1回・30分で3570円(回数、地域に限定あり)で掃除のサービスなどをしてくれる。遠方に住む親の暮らしぶりも見てもらおうと、子どもからの依頼が目立つという。
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