視野が欠けることがある「一過性黒内障」とは、どんな病気?
60歳代の私の姉がテレビを観ていたら、視野の一部が欠けて見えたので、病院に行きました。眼の検査、脳のMRI検査で異常がなく、「一過性黒内障の疑い」と言われました。医師から、「眼の周りの血管が老化で詰まっていて完治はしないし、将来、失明の可能性が大きい」と言われたそうです。血液の塊をできにくくする薬を飲んでいますが、先日も、テレビを観ていたら人物の一部がモザイク状に欠けたそうです。この病気は、どんな病気なのでしょうか。現在の治療法を続けるしかないのでしょうか。(女性)
脳の循環障害か。首の動脈や血液などの検査を
黒内障というのは見えなくなることを意味していて、一過性ですからその症状が数秒から数分続いて回復します。症状としては視力が低下することもあれば、ご相談のように視野が欠けることもあります。
原因として多いのは眼球あるいは眼球からの情報を受ける脳の一過性の循環障害。つまり一時的に血液の流れが悪くなったり、血液が流れなくなったりすることが多いとされています。
この血液の流れが悪くなるのは、おかかりになった病院の先生のおっしゃるように老化により血液の流れが悪くなることが主な原因です。脳の細胞も目の細胞も短時間の一時的な血液の流れの障害だけなら、とりあえずは見かけ上は元にもどりますが、繰り返したり長時間になったりすると、あとで治療してももとにはもどらないので、将来失明の可能性が高いといわれたのでしょう。
その予防のために血の固まりにくくなるような薬や血管を拡張する薬(今回の場合はプレタール)を処方されたのでしょう。このような状態に至るのは老化で頚(けい)動脈などが細くなっていることがあるので、まずは頚動脈や脳の血管などに関して調べて、場合によっては外科的に血液の流れをよくするような治療適応になることもあります。
特に血が固まりやすかったりすることもありますので一般的な血液検査も必要です。いずれにせよなるべく血液の流れの悪い時間を短くするというのが重要です。(日本専門医制評価・認定機構協力)