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元宇宙飛行士・山崎直子さんインタビュー全文(3)宇宙飛行実現までに家族の危機も

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 ――そんな宇宙飛行を実現されるまでには、大変なご苦労がありました。訓練はもちろん、ご家族のことも。離婚の話し合いまでされたと、著書などで明かしていらっしゃいます。

 「長女が産まれて、私たちも最初はいわゆる共働きでしたが、ある時は父子家庭だったり、ある時は母子家庭だったり、いろいろな形態をとってきました。今でも、まだ試行錯誤の過程は続いています。その中で思ったのは、夫婦とか家族の関係って、決して一つである必要はなくて、離れていても家族は家族だし、一緒にいられるんだったらそれはそれでありがたいことだし、いろんな形をとらざるをえないというところもある。今は特に世の中が多様化しているし、いろいろな形をとっている方も多いと思います。どれが正解とかどれが悪いとかいうことも決してなくて、それぞれがいいこともあれば大変なこともある中で、やっていくしかないんですね」

 ――宇宙飛行士というと大変な仕事ですし、いつ宇宙に行けるのかわからないというストレスもあったでしょう。

 「ゴールがどことわからないというのは、不安もありました。いつ来るかわからないので、常に来てもいいように準備しておくしかなくて。その中で焦りも出てくるし、不安にもなる。でも、本人は不安になったりしつつも、日々の訓練はそれぞれ楽しいです。好きなことをやっているんですから、どんなに大変でも弱音は吐けないですし、楽しいと思えるんですよね。むしろ家族のほうがストレスが大きいです。自分自身の目標ではない、ほかの人の目標のために、自分がその後どうなるか先が見えない中で一緒に過ごすというのは、本人以上に不安があったでしょう。特に夫の場合、自分の仕事をできずに支えてくれた期間は、悶々としていたでしょう」

気持ちを前向きに保つには?

 ――大変でしたね。そういう中で、どうやって気持ちを前向きに保っていたのですか。

 「やっぱり1日1日楽しみつつ感謝しつつ、その中で小さな楽しみなり、幸せなりを見つけていくことの積み重ねでしょうか。いきなり大きな道にはたどり着けなくて、1日1日は地道な作業の連続ですけれども、そういう1日を大事にしていくことが、結局どこかの道につながるんじゃないかと信じていたと思います」

 ――2年前に出版した著書のタイトルは「何とかなるさ!」です。あれは好きな言葉なのですか。

 「あれは編集者が考えてくれたんです。打ち合わせする中で、つらいときはどうやって過ごしていたんですかなんて話をしている時、『一生懸命頑張って、後はなんとかなるさと思うしかないですよね』といった言葉を取ってくれたんです。好きな言葉ですね。決して投げやりな意味ではなく、『人事を尽くして天命を待つ』みたいな感じかな。やるだけやって、自分ではどうしようもないこともありますから、そこからは『なんとかなるさ』と希望を持って、というね」(続く)

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