タレント はるな 愛さん 39
一病息災
[タレント はるな愛さん]性同一性障害(1)ままごと遊びは母親役
テレビのバラエティー番組に数多く出演。時折、野太い声を上げて「男の片鱗」を見せ、笑いを誘う。
「自分が認めたくなかった『男である』という部分を魅力と考えられるようになるまで、だいぶ遠回りをしたかもしれません」
子どもの頃から、女の子用の洋服やおもちゃが欲しかった。ままごと遊びをする時はいつも母親役。「大きくなったら自然に女の子になれる」と信じていた。
小学校に入ると状況は一変した。身体測定の際は男女で分けられ、体操着もはきたかったブルマでなく、短パンだった。「仲のよかった女の子とだんだん違っていくのだろうか。自分ではなくなってしまう、という絶望感がありました」
自分は女性にはなれないのか――。寝ても覚めてもそのことばかり考え、勉強は手に付かなかった。
図書の時間では必ずアンデルセン童話の「人魚姫」を選んだ。何かを失わなければ完全な女性になれない主人公と自分を重ね合わせたからだ。本で顔を覆い、あふれる涙を隠した。
幼稚園に入る前から「アイドル歌手になる」という夢があった。ピンク・レディーに憧れ、テレビの物まね番組にも度々出演した。
「学校では女の子っぽい部分を隠していたので、開放感がありました」
誰にも悩みを打ち明けられないまま、小学校を卒業し、中学校へと進んだ。
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