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認知症に向き合う医師・長谷川和夫さんインタビュー全文(3)患者と家族、地域全体で支える仕組みを

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 ――認知症の人は今後、ますます増えることが確実視されています。

 大切なのは、認知症になっても安心して暮らせる社会にすることです。認知症の人と家族を地域全体で支えるような仕組み作りを進める必要があります。自分自身が健康で、家族に認知症の人がいなくても、認知症に関心を持つことが大切です。

 例えば厚生労働省などが進める「認知症サポーター」という制度があります。認知症に関する正しい知識を学ぶ研修を受ければサポーターとして認証されます。無理なくできる範囲で、認知症への偏見をなくす活動をしたり、近所に住む認知症の人や家族に対して、見守りなどの支援をしたりする役目を果たしてもらいます。今年1月現在で314万人が認証されました。

 認知症は高齢者でなくても発症しますが、やはり高齢になるほど、発症の可能性が高まります。90歳代では6割が認知症になるとも言われます。ある程度年齢を重ねれば、誰でもなりうる病気だと認識しましょう。

 私も83歳になり、いつ発症してもおかしくない、と常々思っています。ただ、健康状態の悪化や生活習慣の乱れで発症のリスクが高まるので、風邪などをひかないよう体調管理を心がけ、なるべく歩き、食事は脂っこいものを控えめにしています。

 日本は世界一の長寿国ですが、別の見方をすれば、それだけ高齢化率が高くなり、認知症の人も多いと言えます。厚生労働省の推計では、介護が必要な認知症の人はすでに約200万人を超え、近い将来に300万人を突破するとしています。

 認知症を巡る日本の取り組みは、同じ問題に悩む世界各国が注目しています。日本の取り組みが成果をあげれば、世界各国がならい、日本の評価が上がることでしょう。

 私は日本が大好きです。景色は美しく、人々は穏やかで優しい。こんな素敵な国に住む人々が心を合わせれば、認知症になっても安心して暮らせる町はきっと実現すると確信しています。(終わり)

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