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日野原重明の100歳からの人生

介護・シニア

高齢者に増えてきた結核…その症状と発見の仕方

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 日本では戦前から戦中にかけて、結核死は全死亡者の第1位であったが、戦後はツベルクリン検査、BCGワクチン接種や、戦後にアメリカから輸入されたストレプトマイシンの注射やPASの内服により早期治療により全快が可能となった。その後、戦後は脳卒中死が国民死因の第1位を占めるようになり、肺結核ははるか下位に下がったのである。

 ところが、1999年から結核は激増するようになり、特に高齢者の結核患者数の推移をみると、65~75歳台は1996年以後今日に至るまでは全国で3000人以上となり、2008年以後は3500名を超えるに至っている。

 1950年には20歳までに50%、50歳では86.7%の人が結核に感染していたが、2010年には20歳までに感染した人は約1%、40歳以下では29.5%の人が感染していないという実情を示した。ところが、60歳以上では、若い頃感染した人を含め、すでに感染が約半数と増えており、高齢者の結核患者数の増加の原因となっている。

冬眠状態の結核菌、高齢になって発病

 結核に感染すると、その10%は2年以内に発病するが、残りの90%は結核菌が肺組織に封じ込まれたまま、発熱や咳、その他の症状がなく、いわば冬眠状態となったままで、これが高齢になって発病するものが多くなる。

 最近は喫煙歴の長い人には結核の発病が後年になってみられる、ともいわれる。

 高齢者の結核が増えることで、結核菌の免疫力のない子どもや若者が感染する。

高齢者の結核の特徴

 高齢者が2週間以上、咳や痰、微熱や発汗があり、時に体重減少があるとはいえ、あまり目立った症状はないことが多い。現在インフルエンザが流行しているが、この場合は発熱が特徴で、これは専門医に診てもらい痰の検査をすればインフルエンザだと診断されて治療で治る。しかし結核ではその治療は無効である。

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日野原重明(ひのはら・しげあき)

誕生日:
1911年10月4日
聖路加国際病院名誉院長
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