赤ちゃんケア
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母親の幸せを大切に
子どもの病気のほとんどは自然に治りますが、すべてではないことが曲者です。セキ、熱、下痢、嘔吐などが多く、同時に起こることもよくあります。重症度を見極めることが大切です。
決め手は母親の「いつもと違う」という感じです。毎日毎日、見て、聞いて、抱いて、触って、おっぱいやごはんをあげて、うんちやおしっこを見て、あやして、遊んで、寝かしつけて――と、五感を働かせてケアしているからこそわかるのだと思います。
初めての病気で戸惑うのは当然です。わかるまでに時間がかかってもいいし、病気を経験することが子どもをみる目を養います。
そして、「いつもと違う」という感じがつかめてきたら、それを受診の際に伝えてください。医療を頼りすぎたり、逆に拒否したりするのではなく、医師と対話しながら納得のいく医療を受けてほしいと思います。
気を張り詰めて頑張っているお母さんに、健診で時々出会います。産むまでは大事にされていたのが、産んだとたんに「お母さん頑張ってね」と突き放され、周囲に頼れず孤立してしまう。けれども、女性は産んですぐに母になれるのではないのです。
父親は育児に参加するだけでなく、母親を支えることに気を配ってください。家族から、友人知人から、地域から、社会から、女性が支えられることは、子育て支援で忘れてはならない視点だと思います。
子育てでは、母親が幸せでいることが大事です。すべての母親が「かわいいけれど大変」ではなく、「大変だけどかわいい」と感じられる、そんな子育てができますように。(ひだまりクリニック院長、佐山圭子) (終わり)
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