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慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは何か

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 最近有名な芸能人が、慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease: COPD)にかかって闘病しているニュースを聞いたりするためか、肺炎とか、気管支炎とか喘息という名はよく知っているが「慢性閉塞性肺疾患」とは何かと、よく聞かれる。日本人の寿命が延びて高齢化するにつれて増加する慢性病の中で一番注意を要するものだが、いざ「慢性閉塞性肺疾患とは」と言われると、かなりのインテリでも、また皆さんがかかっている開業医の先生方も、これをよく説明できないと本音を聞かされるのである。

 この病気は、呼吸器の病気なので、日本呼吸器学会がこの病気のガイドラインを初めて発表したのは、やっと1999年、つまり13年前のことだった。

 その10年後、つまり2009年、今から2年前に改定3版として次のように分かりよいガイドラインが発表された。

ニコチンなどの有害物質で気道が炎症

 「煙草煙を主とする有害物質を長期に吸入暴露することで、生じた肺の炎症性疾患である」。つまり煙草の煙に含まれるニコチンその他の有害物質に気道が触れることで起こされる炎症のことである。

 呼吸機能検査というと、肺活量を図る時の器械を用い、1秒間に思いっきり早く空気を吐かせ、排出された排気量を数で表す(1秒率)。この検査をスパイロメトリーと呼ぶ。この値が健康者の計測値の80%以下に下がるのを異常とする。

 COPDは息(空気)を吐き出しにくくなる病気であるが、この検査で肺に吸い込まれる空気の量(肺活量)と、1秒間に吐き出される量を調べることで、肺機能低下の程度が分かる。

 先のガイドラインは次のように続く。

 「気道閉塞は、末梢気道病変(気道の奥の気管支-細気管枝)と気腫性病変(肺胞)がさまざまな割合で複合的に作用することにより起こり、進行性である。臨床的には徐々に先んじる体動時の息切れや、慢性の喀痰を特徴とする」。それがCOPDなのである。

COPDには2種類のタイプ

 COPDには、気管支が狭くなるタイプ(気道病変性タイプ)と肺胞が壊れる気腫型とがある。

 COPDは病気が進むまで自覚症状がない。それでつい医師の診察を受けることが遅れる。

 そこで煙草を吸っている人、今は禁煙していても、昔は喫煙していた人はCOPDにかかっている人なのである。日本人は米国、カナダに比べて喫煙率が高いので、日本人の40歳以上のCOPD 有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されている。しかし、2008年の厚生労働省の調査では、そのうち17万人程度しか治療を受けていないとのことである。

推定患者530万人のうち、治療は17万人

 煙草を吸う人は肺がんになる率が非常に多いことからも、禁煙者の寿命は短いことは確かである。風邪をひいたり、インフルエンザにかかると、COPDの人の死亡率は特に高いことを併せて伝えたい。

1年に1回は人間ドックで検査を

 人間ドックの検査では必ず肺機能検査を行うので、この際1年1回の人間ドックもお勧めしたい。

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