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ドクター柴原の漢方塾

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冷え症は症状?(2) 冷え症の改善方法

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 冷え症は遺伝だから仕方がないと諦めている方もおられます。確かに、冷え症には遺伝的な要因も関係していますが、より密接に関係しているのは環境要因、つまり、生活習慣です。これまでの生活習慣の積み重ねによって冷え症となっていることを考えると、その改善には生活習慣を見直すことが重要です。

 便利になった生活では体を動かさなくなっていますので、買い物には歩いて行く、エレベーターなどはなるべく使わない、炊事や洗濯、掃除に手間をかけるなど、普段の生活の中に体を動かすという意識を取り入れることが必要です。食生活では、体を冷やす冷性食物(果物や葉菜、果菜)を少なくして、温性食物(肉や魚、根菜、豆類)を多くすることが必要です。サラダや刺し身という調理方法は、冷え症という観点からは良いとは言えません。

 加熱した物の方が体を温めます。また、調味料では、砂糖や酢は体を冷やすとされています。入浴方法にも見直す点があります。最近はシャワー浴が多いようですが、これでは体の芯は温まりません。また、熱い風呂にサーッと入るという方法では、芯が温まらずに表面だけが熱くなって発汗しますので、かえって冷えてしまいます。少しぬるめの温度にしてゆっくりと温まるという入浴方法が良いとされています。半身浴や足浴も有効です。

冷え症を改善する漢方薬・・・

 では、冷え症に有効な治療薬はないのでしょうか。

 西洋薬には冷え症を効能としているものはありませんが、漢方薬は冷え症に対して非常によく使用されています。冷え症を漢方薬で治療する際には、体のどの部位に冷えを感じているかが重要になります。

 体の全体が冷えるという方には、附子(ぶし)や乾姜(かんきょう)という生薬が中心となる四逆湯(しぎゃくとう)や茯苓(ぶくりょう)四逆湯、真武湯(しんぶとう)、附子理中湯(ぶしりちゅうとう)などが用いられます。

 手足が冷えるという方は、血の巡りが悪くなった瘀血(おけつ)という病態であることが多く、その治療薬である桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などが使用されます。

 足だけが冷えるという方の中で、顔はのぼせるという方を漢方医学では「上熱下寒」と呼び、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)や加味逍遙散(かみしょうようさん)、温経湯(うんけいとう)などが用いられます。

 一方、足は冷えるが、のぼせはないという方には八味地黄丸(はちみじおうがん)や牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)といった漢方薬が用いられます。このように、冷え症のタイプによって使用される漢方薬は違ってきます。

 冷え症は、冷えという症状自体が苦痛なだけでなく、痛みや痺(しび)れ、あるいは不眠の原因にもなる可能性がありますので、改善すべき症状です。その改善には、生活習慣の見直しとともに、適切な漢方薬の服用が有効です。

冷え症を改善する漢方薬
四逆湯(しぎゃくとう)
茯苓(ぶくりょう)四逆湯
附子理中湯(ぶしりちゅうとう)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
加味逍遙散(かみしょうようさん)
温経湯(うんけいとう)
八味地黄丸(はちみじおうがん)
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
【参考:漢方薬に関する詳細は、QLife漢方(キューライフ)へ】
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漢方ブログ_柴原87

柴原 直利 (しばはら・なおとし)

医学博士。1960年生まれ。大阪府茨木市出身

富山大学和漢医薬学総合研究所漢方診断学分野 教授

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1件 のコメント

冷え症真っ只中

りり

自分自身にあった漢方や薬を処方されたいだけ。学びツボなどもしり健康に楽しく明るく視力を回復し自分のからだもざいさんだから生きたいんですたむら

自分自身にあった漢方や薬を処方されたいだけ。
学びツボなどもしり健康に楽しく明るく視力を回復し自分のからだもざいさんだから生きたいんですたむら

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