高齢者の性・ブログ
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妻への思い、マンガで語る…93歳じいちゃんの絵日記
またしてもかなりご無沙汰していましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?だんだん寒さも厳しくなってきて、寒がりの私は、毎日布団から出るのに一苦労。東北の仮設住宅の人を思い、エイヤっと気合を入れる今日この頃です。
「はげまして はげまされて 93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記」
今年最後になるこのブログ。年末年始にお勧めの本のご紹介です。テレビや雑誌でも話題になっているので読んだ方もいるかもしれませんが、「はげまして はげまされて 93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記」(竹浪正造さん著、廣済堂出版、税別1300円)です。
この本、大正7年生まれで、東北電力の社員、町会議員などとして長年働いた正造さんが、妻と3人の子ども、そして孫やひ孫との日々を56年間、漫画絵日記として書き留めた優しい記録です。子どもの成長を柱のきずで測り、進学や結婚で巣立ち、病気に倒れた最愛の妻との別れ・・・。家族の歴史を温かみのある漫画で綴っているのですが、「高齢者の性」を書く私が当然注目したのは、正造さんの妻への思い遣りや決して枯れない女性への思いでした。
妻への思い遣り、女性への枯れぬ思い綴る
子ども達が巣立って2人になった昭和53年には、「早めに風呂をわかす。背中を流してやる」と、夫婦でお風呂に入って妻の背中を流してやる姿を。妻が入院して衰弱し、食欲もなくなった昭和62年には、「風呂場からお湯をくんできて、かあさんの足を洗ってやる」と、気持ちよさそうにしている妻の姿を。
その後、一人になった正造さんは、一人「なぜ俺をのこして逝ってしまったの」と仏壇の前で泣いたり、死後、妻宛に届いた郵便物に妻を想ったりするのですが、日にち薬で徐々に生活のリズムをつかんでいき・・・。
そして昨年8月、20数年ぶりに妻が夢に出てきてくれた時、正造さんは何と言ったか!
「SEXどうか?」ですって!
夢の中で、「ここは病院だから」と断られちゃったそうですが、やはりどんなに年齢を重ねても求めるんだなと改めて感じました。普段は一人で過ごしているわけですから、余計、触れ合いや温もりを感じたいという気持ちが強いのかもしれないなと。
88歳で、飲み屋のママに告白
ただこの本、こんな亡き妻への愛だけで終わらないところがまた人間くさくて面白いんです。平成19年、88歳の時には、飲み屋(スナック?)のママにふられてしまうくだりが・・・。お酒の席で、「私はママが大好きだ」と告白して、ママも「私も大好きよ」と答えてくれたようなのですが、後日電話で「記憶がない」と言われてしまって・・・。文章では「私の心のわだかまりも消えた。ヤレヤレと気が晴れた気持ちである」と書いているものの、電話で会話している正造さんの顔がショックでガーンとなっている顔なのもかわいらしくて。
絵を引用するには、複雑な許可申請が必要だというので、ここで紹介できないのが残念ですが、大きな本屋さんでは平積みになってますので、一度お手に取ってみてください。年末年始にぜひ。それでは皆様良いお年を!
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狭いマンションに住んでいる喜寿を過ぎたおじいさんとおばあさんです。でも、まだおじいさんとは言われたくありません。孫には.おじいちゃんと呼ばせてい...
狭いマンションに住んでいる喜寿を過ぎたおじいさんとおばあさんです。
でも、まだおじいさんとは言われたくありません。孫には.おじいちゃんと呼ばせています。
家内が出かけるときは玄関まで一緒に行き、心の中で元気に帰って来いよと祈ります。外に出て彼女の姿が見えなくなるまで見送ります。
帰ってくると、何はさておいても出迎えます。寒かったろう‥荷物重かっただろう‥とねぎらいます。
先日、玄関で彼女のお尻を撫でたら叱られました。夫婦なんだからいいじゃないの‥と言いましたが、きょうの会のことを考えているのだからそれどころではないのと、すげない答え。でも、時々ハグしたいと思います。こんな歳でも、薄化粧しているのでキスはしません。
彼女が起きているときには側で話しかけます。話題は何でもいいのですが、意外と性のことは知らないので驚きます。嫌いなのかも。波多野完治の「性こそ吾なり」でも読ませようかな。
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正造じいさん、さぞ残念だったろうな
四朗
「はげまして はげまされて 93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記を買ってみました。ほのぼのとした家庭の様子が、素人が描いたと分かる絵で描か...
「はげまして はげまされて 93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記を買ってみました。
ほのぼのとした家庭の様子が、素人が描いたと分かる絵で描かれています。
絵日記風にしてありますが胸を打つものがたくさんあります。特に奥様がだんだん衰弱していく様はお気の毒のひと言では片付けられません。
昭和62年
3月30日
不安な一日 ~かあさんがいなければなにもできぬ~
4月6日
母親の想い ~気になるのは子のことばかり~
4月9日
かあさんの入院 ~本人の悲観ぶりが胸に痛い~
4月19日
曇りの晴れ間 ~外の空気を吸わせたのはいいが・・・・~
4月24日
足を洗ってやる ~こんなことでも喜ぶかあさんの顔が・・・・~
5月13日
とうとう帰らぬ人に・・・・ ~見舞いの花が、亡き人を弔う花に~
5月14日
お仏壇 ~こういう物を買う日が来るなんて~
5月16日
孫による弔辞 ~かあさん、喜んでくれているかな~
昭和63年
2月29日
夢の中のかあさん ~私の中ではいつも元気で~
平成22年8月29日
せっかく夢で会えたのに ~20数年ぶりに会ったのだから・・・・~
家内の夢を見た。母の夢は見たこともあったが、家内の夢は最近見ていない。お互い白装束であった。せっかく20年ぶりで会ったのだから「sex波動か?」と声をかけたが、「ここは病院だから」とことわられた。勿論この続きはない。夢に終わったのである。
正造さんの妻への思い遣りや決して枯れない女性への思いでした。
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いいですね~
小町ファン
新春を迎え、また新たな年の始まりになりました。岩永さん始め、皆様にとってよい年になりますように。パートナーを大好きでいられるのは、生きているいる...
新春を迎え、また新たな年の始まりになりました。
岩永さん始め、皆様にとってよい年になりますように。
パートナーを大好きでいられるのは、生きているいるうちだけ。
そんな今という時間を素直に生きている著者は羨ましいくらいに感じます。
私も頑張ってパートナーの手や足、背中などをキャリーオイルでほぐしましょう。
パートナーの足の指の爪も切るし、靴下も履かせたりも。
会話をしながらすると結構楽しいものです。
加齢を経ながら、今という一瞬で通りすぎる時間を遊びながらの人生。
一緒にいたいと思うパートナーの存在は何より大切です。
今年一年もそんな毎日でいきたいと思っています。
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