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皇居ランに新ルール、歩行・自転車と共存目指す

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夜になると仕事を終えたランナーが繰り出す皇居外周=若杉和希撮影

 増え続けるランナーや自転車と共存できるか――。

 皇居外周でジョギングやサイクリングを巡るトラブルが絶えないことから、東京都千代田区は21日、マナー向上や環境整備に向け、ランナーや道路管理者などを招いた初の検討委員会を開いた。

 今後も会合を重ね、「お互いに思いやりと気遣いを持って共に楽しめる空間作り」を目指して、ランナー、サイクリスト、歩行者の3者が納得できる「新ルール」を約1年かけてまとめる。

 千代田区役所で行われた初会合では、ランナーや自転車団体の代表、地元警察署など20人で構成する検討委員会のメンバーが、それぞれの立場から意見を述べた。

 1991年の東京国際女子マラソンで優勝した、谷川真理さんはランナー指導者の立場から発言。「道路幅を広げてもらえれば一番ありがたいが、なかなか難しい。ランナー同士の配慮が必要」などと提案した。

 国土交通省の担当者は、「景観の問題もあり、植栽をなくして歩道の幅を広げるというわけにもいかない」と説明。ランナー支援施設の運営者は「歩行者のマナーも悪いが、多いのはランナーと自転車のトラブル」と指摘した。

 区が検討委を設置するなど、危機感を募らせるのは、空前の健康ブームでランナーの数が飛躍的に増え、さらに東日本大震災以降、通勤者が自転車を利用するケースが目立つためだ。仕事帰りのサラリーマンランナーが利用できるようにと、更衣室やシャワーを利用できる施設も充実。都心のホテルを利用して、泊まりがけで「皇居ラン」を楽しむ人も増えている。

 一方、皇居周辺は、散策コースにもなっており団体客も多い。「猛スピードで走ってくるので怖い」「集団で広がって走っていて迷惑」などの苦情が寄せられており、区ではこれまで、トラブルが頻発する地点に立て看板を用意してマナー向上を呼び掛けてきた。

 区は近く、現地調査でランナーの利用頻度、混雑する時間帯などについて聞き取りを実施。来年3月の次回の検討委で提示し、協議を進めるという。石川雅己区長は「それぞれの立場は違うが、できるだけ早く対策をまとめていきたい」としている。(小林直貴)

皇居外周
 1周約5キロの皇居の周囲を巡るコース。大半は「内堀通り」の歩道だが、道路の管理者は国、都、千代田区など複数にまたがる。信号がなく一定のペースで走ることができることなどからランナーに絶大な人気があり、区の2009年調査では、平日午後6~9時で延べ約4500人が走っていたという。
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