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遺言で「争続」回避

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多少、おカネはかかっても、遺言信託を使う人は増えているそうだ(りそな銀行目黒駅前支店で)

 作家・向田邦子さんが不慮の事故で亡くなったのは51歳。その若さで、向田さんは、家族に向けて現金やマンションなどについて遺言書を書き残していたそうだ。遺言の用意は「早すぎる」ということはないようで、そろそろ自分も――とお考えの方に、最近、利用する人が急増しているという「遺言信託」の使い勝手を紹介する。(経済部 荒谷康平)

「自筆」か「公正」か

 堅いようだが、遺言とは遺言者の意思表示だ。

 その方法には、主に〈1〉自筆証書遺言と〈2〉公正証書遺言がある。

 〈1〉は遺言者が自分で書く遺言で一人で作れる手軽さがあるが、隠匿・偽造・変造・破棄されたり、書くときに誤記してしまったりする恐れがある。

 〈2〉は遺言者が公証人と作る遺言で手軽さはなく、ある程度、費用がかかるが、確実な内容で作れ、安全に保管できる。

120万は高いか

 今日の話の遺言信託は、基本的には〈2〉になる。大手信託銀行をはじめとした金融機関が受託者になり、遺言書を作るのを手伝い、依頼者の死後、遺言に沿って不動産の登記や預貯金の名義変更・換金などを行う。「信託銀行」でも扱っていないところもあるし、信託銀以外の「銀行」でも扱っているところがある。

 費用は信託銀などが自由に額を決めるが、例えば、旧大和銀行で信託銀行の免許もある、りそな銀行では表のように120万円以上かかる。決して安くはないが、りそな側は「財産の価値を自分で把握して目録を作るのは大変。その手間を省けるし、遺言者の思いをしっかり反映させられる」と説明する。

 TVドラマではないが、相続は、ややもすると「争続」になりかねない。「家族の繁栄につながるように、遺言書の作成をコンサルティングさせていただく」(りそな銀行)という。

 ちなみに、向田さんは原稿用紙4枚に相続の内容をつづり、「仲良く暮らして下さい」と書き残した。

核家族化で対立も

 信託協会によると、遺言信託の受託件数は増加傾向にある。

 「個人保有資産が増大してきたことに伴い、争いが起きる心配も増大してきたこと」や、「核家族化が進んだことによる、『少しでも遺産をもらいたい』という家族間の対立」などが要因に考えられるそうだ。

近所の弁護士紹介

 ところで、遺言書の作成や執行は弁護士もやってくれる。NPO法人「遺言・相続リーガルネットワーク」(東京・中央区)を通して頼むと、近所の弁護士を一律の費用で紹介してくれる。金融機関と同じように、弁護士が一緒に遺言を作り、執行までやってくれる。

キットで手軽に

 遺言書作りに関心はあるが、銀行に行くのも面倒だし、自分で本格的に作るには腰が重いという人には「コクヨS&T」の「遺言書キット」=写真=を使うのもいいかもしれない。自筆証書遺言を作る製品で、コピー予防機能がある遺言書用紙、分かりやすい手引書、開封すると元に戻せない特殊な封筒、などがセットになっている。法律事務所が監修しており、同社は「初めての人でも法的に有効な遺言書を書ける」としている。

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