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宋美玄のママライフ実況中継

コラム

妊娠までの道のり

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里帰りして暇なもので、甥っ子の誕生日にガトーフロマージュを焼いてみました!

 みなさんこんにちは。現在、妊娠35週、間もなく妊娠10か月に突入するマル高妊婦の産婦人科医・宋美玄です。

 妊娠9か月に入ったころから、妊娠を表す「身重」という言葉の意味を実感しています。本当に身軽の反対で、何をするのもトロトロとしてしまいます。幸い実家に里帰りしてきて、上げ膳据え膳生活を送っているので、トロくても差し支えないのですが。

最大の難関は「妊娠できるか」

 さて、35歳で初妊娠をした私ですが、高齢出産の最大の難関は「妊娠できるかどうか」だと思います。よく、「妊娠出来る体かどうか診てください」と婦人科を受診される方がいらっしゃいます。ですが、排卵しているか、子宮筋腫など婦人科疾患がないか、卵管が閉塞していないか、などは検査可能でも、妊娠できるかどうかは妊娠するまで分からないのが現実です。なので、「自分が子供を授かれるかどうか早くトライしたい」と思っていました。

 諸々の事情でトライできない間も、できることはしていました。当分は無理だと思っていた頃は、無駄に排卵しないよう低用量ピルを飲んでいました。ピルをやめた後は、排卵しているかどうか同僚の女医さんに超音波で時々見てもらい、子宮頚癌検診とクラミジア検査を受けていました。

 34歳の時には、子宮卵管造影検査※ を受けました。不妊歴もないのに普通はそこまでしないのですが、「この先、子作りを始めてみたもののなかなか出来なかった場合、その時点で検査して卵管が閉塞していたら、時間を無駄にすることになる」と思って、同僚の女医さんにやってもらいました。恵まれた職場だと思います。


 それだけビビッていろいろ検査をしていた割に、子作りをトライしてからは、幸いすぐに妊娠したのですが、忙しい生活の中でタイミングが合ったのはまさに「惑星直列」と言えます。

 それでもやはり、欲しいなと思ってトライし始めてから月経が来たときには、がっかりしていましたね。不妊治療中の患者さんの気持ちが少し分かりました。月経を「いや、もしかしたら着床出血かも」と思って、念のため市販の妊娠反応薬で検査して、やっぱり陰性で落ち込むという。

結構、干渉してきますね

 それにしても世間の人たちは、子供を作る・作らない、というプライベートかつデリケートな問題に関して、結構、干渉してきますね。私は産婦人科医として客観的に、妊娠や出産についての知識をブログなどを通じて啓蒙してきたのですが、時々「先生は子供作らなくていいんですか?」とか「産んだことのない人が言っても説得力がない」などと言われることがあり、ちょっと脱力させられました。

 子供のいない人が、子供を欲しくないのか欲しいけどまだ授かっていないのかは分からないし、気軽に踏み込んでいいことだとは思いません。そして、産んだ経験があれば妊娠出産についてすべてが分かるというものでもありませんし。

 また、「子供を産んでこそ女は一人前よ」とか「子供って可愛いわよ、これこそが幸せよ」などと価値観を押し付けられることも珍しくありません。多くの女性たちと「ほんと、放っておいてほしいよね」と共感し合ってきたので、子供を持つ立場になってからもそういった妊娠する前の気持ちを忘れたくないと思い、ここに記しておきます。

 と言う訳で、非常にラッキーなことに望んで妊娠することが出来ました。臨月も迫り、腰痛、坐骨神経痛、こむら返り、頻尿、腹圧性尿失禁、胃の圧迫感など数々のマイナートラブルに悩まされていますが、「好きで妊娠したんだから」と頑張って耐えています。10年早く妊娠したら、もっと楽だったのかなあと思いながら・・・


 ※ 子宮卵管造影検査 卵管が詰まっていないか確認するため、子宮から卵管に向けて造影剤を流し、管の通りをレントゲンで見る検査。

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宋 美玄(そん・みひょん)

産婦人科医、医学博士。

1976年、神戸市生まれ。川崎医科大学講師、ロンドン大学病院留学を経て、2010年から国内で産婦人科医として勤務。主な著書に「女医が教える本当に気持ちのいいセックス」(ブックマン社)など。詳しくはこちら

このブログが本になりました。「内診台から覗いた高齢出産の真実」(中央公論新社、税別740円)。

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1件 のコメント

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本当に干渉がすぎる

パフェラッタ

妊娠するしないに干渉してくるのは本当にやめてほしいですね。本人たちは干渉することが本人たちの幸せを願ってのことと信じて疑わないからますますやりに...

妊娠するしないに干渉してくるのは本当にやめてほしいですね。本人たちは干渉することが本人たちの幸せを願ってのことと信じて疑わないからますますやりにくいですね。

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