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講演(1)外部被曝を減らす3原則…放医研プログラムリーダー・米原英典さん

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 基調講演に続いて、放射線医学総合研究所プログラムリーダーの米原英典さんが「被曝(ひばく)を減らす日常生活の工夫」をテーマに講演しました。

米原英典(よねはら・ひでのり)
 1953年奈良市生まれ。77年同志社大学工学部卒。滋賀医科大学で自然放射線の研究を始め、放射線医学総合研究所へ転任後、チェルノブイリ事故後の環境放射能研究などに従事。その後、文部科学省原子力安全課で放射線安全企画官として安全基準策定などを担当、放射線医学総合研究所に戻り、規制科学総合研究グループリーダーを務め、今年4月から現職。
 専門は、保健物理学、規制科学。主に、環境放射能による線量や影響の評価、放射線防護や規制に関する研究。日本原子力学会の保健物理・環境科学部会長などを歴任、現在、原子力安全委員会原子炉安全専門審査会審査委員などを務める。

 福島第一原発から飛散した放射性物質は、3月中旬から下旬にかけての雨で地面に落ちました。周辺より放射線量が高い場所を「ホットスポット」と呼びますが、原発から遠く離れても線量が高い場所があるのは、放射性物質が地面に降る量は、雨や風向きなど気象の要因によって大きく影響するからです。

 身体の外にある放射性物質からの被曝を外部被曝といい、身体の中に取り込んだ放射性物質からの被曝を内部被曝と言います。外部被曝の場合、その線量を低減する3原則というものがあります。

 一つは、距離をとることです。例えば、線源から1メートルのところにいるときと、2メートルのところにいるときで、被曝量を比べると、2メートルでは、線量は4分の1になります。放射線量は距離の2乗に反比例して下がるのです。だから、距離をとるのは非常に効果的です。もし、人が長い時間いるようなところに汚染された土壌がありましたら、できるだけ遠いところに埋めてしまうのが効果的な低減策です。

 二つ目は、距離をとれないときは間に何か物を置く。できるだけ重い物を置くと、放射線が遮蔽されて線量が低くなります。

 三つ目は、そこにいる時間を短くします。家の外の線量が高ければ、外にいる時間を短くすることによって線量が下げられます。

 これらの三つの方法を単独でもいいですし、組み合わせて用いて、線量をできる限り低くすることが大事です。

 内部被曝の場合には、口とか鼻から、放射性物質が入らないようにすることが大事です。放射性物質の新たな放出の情報にも気をつけなければいけません。汚染された土が手について、それが口から入ることもありますので、そういうことに気をつけることも大事です。

 外部被曝を低減するため、公共的な場所については、国などがいろいろと除染を考えていますが、各家庭ではどのようにしていけばいいのでしょう。まず、各家庭で高濃度に汚染された場所を知ることが大事です。測定が可能であれば、測定することが一番手っ取り早いと言えます。

 注意すべき場所は、放射性物質を含んだ雨が集まるようなところです。雨どいの下に側溝がなくて雨水が直接土壌に落ちている所や、側溝でも落ち葉が詰まって流れが悪い所などに放射性物質がたまりやすく、ホットスポットになる可能性があります。線量が高い土壌や落ち葉などは取り除き、敷地の隅など生活の場からなるべく離れたところに埋めれば線量を下げられます。

 子供たちは、除染されていない草むらとか、森などで長時間遊んだりします。測定されていなくて、放射線量が高いところがあるかもしれないので、そういうところにはあまり長い時間滞在しないように注意する必要があります。(続く)

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