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日野原重明の100歳からの人生

介護・シニア

ジェネリック医薬品って何?

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 ジェネリック医薬品(generic drug)という英語を皆さんはご存知ですか。

慢性病患者が支払う医療費、薬の長期服用で莫大に

 慢性病(たとえば糖尿病、高血圧、高脂血症)のある患者さんは、長期に薬を服用しなければならず、それが健康保険制度下に行われていると、患者の支払う医療費は莫大な価格になります。

 高い薬効を持つ薬品を開発するには、動物実験を始めたのちに、これを人体実験に移すには厚生労働省の許可を得なくてはならない。

 日本ではそのお役所作業が手間取り、欧米先進国に比べると、使用許可認定に非常な年月を要するのが現状である。新薬を作るには、非常な日時を要し、10~15年間はかかり、まず動物実験から始めて、次に人体実験をし、有害な副作用があるか否かを慎重にチェックしなければならないのである。大きな資本を持っている会社でないとその投資に莫大なお金が掛けられないのは当然である。

 したがってこの新薬品の製作に成功した場合は、特許を申請して、他の会社がその製造法を入手しても製品として売り出せないことになっている。

 ところが、たとえば10年間の特許期間が終了すれば、どこの会社でもその製造に要する価格に、若干の利益を上乗せし、高価なオリジナル製品の価格よりずっと安価に販売できるのである。

 この新製品は、ジェネリック医薬品、すなわち「後発薬品」として販売できるのである。

後発薬品、同じ薬効で安価…医療費削減にも

 一方、患者側では同じ薬効があるとわかっておれば、安価な後発薬品の方がよいということで医師が書いた処方箋を薬局に持って行き、その割安の薬品が買えるのである。

 その場合、患者は今までの処方の薬と同じ薬名の薬品が渡されて高価な薬代を払っても、前の薬の信用性から高い薬代を払っても差し支えないというかもしれない。

 ところが、安価である後発薬を病院側は購入できるので、後発薬でも同じ効果があることを主治医が患者に伝えれば、病院薬局でも、その後発薬を処方し、開業薬局と同じことがなされ、患者本人の払う負担は、今までの高価な薬を使った場合より、2分の1近くも安くなるのである。

 処方する医師の方では、後発薬を選択する権利が法律により守られているので、患者には医療費の節約になるのである。

 一方、病院や診療所では、オリジナル製品を処方することでは経費は高まるので、病院や診療所経営者は、処方箋を出す医師にも後発薬品を出すことを要請するわけです。

日本での普及率、20%程度

 アメリカでは、この新制度ができた当時は、その普及率が低かったが、現在は70%近くまで普及している。日本はまだ20%位でジェネリック医薬品の後進国と言われている。

 以上の知識がもっと広がり、患者の医療費負担が少なくなるよう、医療を受ける側の協力が切望される次第である。

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日野原重明(ひのはら・しげあき)

誕生日:
1911年10月4日
聖路加国際病院名誉院長
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