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基調講演(2)内部被曝、外部被曝はほぼ同じ…国際医療福祉大学教授・鈴木元さん

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 次に、内部被曝(ひばく)と外部被曝で、リスクはどのくらい違うかについてお話しします。これに関しては、ほぼ同じというデータが多く出ています。小児甲状腺がんで、原爆被爆者や、病気の治療のために放射線を照射された集団と、チェルノブイリ事故で内部被曝したお子さんたちのリスクを比べていきますと、ほぼ同じか、チェルノブイリ事故のほうが2分の1程度小さくなっています。

 白血病や白血病以外の固形がんについて見ても、内部被曝のほうがリスクが高くはないということが、いくつものデータから示されています。

 もう一つ、放射線の影響として、胎児の影響はどうか、あるいは2世、3世に対する影響はどうかということが心配になります。

 胎児期の8~15週の時期は、ちょうど脳の神経細胞が分裂して、神経細胞同士のつながりができてくる時期に当たります。これは、25週ぐらいまで続きます。原爆被爆者の中に体内被曝した方たちがいらっしゃいますが、その疫学調査で見ていきますと、こういう時期に、100ミリ・シーベルト以上被曝すると、少し頭のサイズが小さくなり、400ミリ・シーベルト以上になると、小頭症の症状が出ることがわかってきています。

 一方、2世の影響については、1948年から53年に、広島、長崎で妊娠登録した人、母子手帳を請求した人たちを、放射線影響研究所が調査した結果があります。被爆者で母子手帳をもらった人たち1万5000人、非被爆者で母子手帳をもらった人が5万5000人です。

 調査によると、この二つの集団で変化はありませんでした。2世への影響については、今でも放射線影響研究所は追跡しておりますが、今までのところ、成人病、がん、そういうものに関して、被爆者と非被爆者の子供で差はないという結果です。

 一方で、チェルノブイリ事故後、堕胎が増えたという悲しい事実があります。旧ソ連邦だけではなくて、欧州各国で堕胎が増加したという報告がなされています。放射線に対する過剰な不安が、国民を不合理な行動に走らせた悪い例だと考えられます。チェルノブイリ事故で、一番大きかった生命損失というのは、実はこの堕胎なんです。このことを、皆さん、よく考えていただきたいと思います。(続く)

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