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俳優 大沢樹生さん 42

一病息災

[俳優 大沢樹生さん]腹壁破裂(3)再び試練…難聴の診断

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 腹壁破裂を2度の手術で乗り切った長男・零次(れいじ)君にはもう一つの試練が待ちかまえていた。

 幼児の頃、名前を呼んでも反応が悪かった。同年齢の子どもと比べると、言語の習得も少し遅れた。だが、定期健診では異常はみつからなかった。

 感音性難聴。そう診断されたのは小学2年の時だ。鼓膜ではなく、聴覚神経が傷ついたことで起こる。まったく聞こえないわけではないが、高い音が聞きづらいのが特徴だ。乳児の時に治療に使った薬の副作用が原因らしかった。

 すぐに補聴器を与えた。ただ、学校では外すことが多かったようだ。補聴器を隠すためか、髪を切るのを嫌がるようにもなった。

 静まりかえった深夜。補聴器を自分の耳につけてみた。どのように聞こえるのか知りたかったからだ。エアコンの小さな音が「ゴオー」というごう音になって耳をつんざいた。

 雑音だらけの教室はつらいだろうなあ。かわいらしい寝顔をみると、やりきれない気持ちになった。

 そんな息子を支えてくれたのは周囲の人たちだ。

 週に2回、マンツーマンで特別に指導してくれた先生。励ましてくれた級友やその親たち。感謝してもしきれないほどだった。

 親たちの飲み会では必ず「光GENJI」の曲を歌った。それで済むならお安いご用だった。

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sokusai_117

 
 

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