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医療部発

コラム

「針100本」 の鍼灸師、針で被災地をいやす(上)

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福島県相馬市の仮設住宅集会所で鍼灸の施術をする竹村文近さん(10月16日撮影)

 東日本大震災の被災地を訪れ、心身ともに疲れている被災者らを針でいやすボランティア活動を続けている東京都内の鍼灸(しんきゅう)師がいます。タレントのタモリさんや女優の加賀まりこさんらも信頼を寄せている竹村文近(たけむら・ふみちか)さん(63)です。

 竹村さんは、これまでに経験したことがない大災害が起こったことに対し、「鍼灸師として役に立ちたい」と、被災地支援を行っている知り合いの参議院議員、有田芳生(ありた・よしふ)さんに相談。協力して被災地へ行って、被災者らを鍼灸・あんまで元気になってもらう活動を行うことにしたそうです。

 最初に訪れたのは5月15日、福島県相馬市の避難所。お弟子さん8人も一緒に連れて行きました。20歳代~80歳代の男女計70人に対し、1人約30分、施術をしたと言います。

 以後、月に1、2回の割合で、相馬市のほか、浪江町、双葉町、飯舘村、宮城県石巻市、気仙沼市を訪れています。鍼灸治療の費用はもちろん無料で、お弟子さんの交通費なども竹村さんが支払っています。

 避難所や仮設住宅に入っている人たちは、生活環境が激変したため、心も体も疲れていると言います。体全体がパンパンに張っていて、腰が痛いという人が多くいました。肌を触ると冷たく感じるほどの「冷体温」の人がいました。体の不調からか、うつ症状になっている人もいたと言います。

 そのような人たちに対し、竹村さんたちは、あんま・マッサージで体をほぐし、それから、針とお灸で腰痛などを治療していきます。

 多くの人は鍼灸が初めてだったそうです。でも、おっかなびっくり受けた人も元気になり、「ありがとう、よくしてもらって」と、涙ながらに感謝の言葉を述べることがあったそうです。

 竹村さんは、1人に対して100本以上の針を刺す、個性的な鍼灸師です。「鍼灸が、こんなにも皆様の役に立つことが分かり、その威力を再確認することができました。これからも、月に1度は被災地に行って、被災者の方々が元気になってもらうお手伝いをしたいと思います」と話しています。

 
 

 

坂上博 1998年1月から医療情報部。主な取材対象は、心臓病、肺がん、臓器移植、高齢者と薬の付き合い方など。趣味は、朝鮮半島情勢の観察、韓国語の習得。

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医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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