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高齢者の性・ブログ

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宋美玄さんインタビュー(2)性交渉、教育から抜け落ちる

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 ――今の日本では、性を学ぶのはアダルトビデオしかないのでしょうか?

  昔は、官能小説とかそれなりに情緒があるものもあったのでしょうけれども、結局、性的に興奮するためのおかずから、知識を得るしかない状況は変わっていません。たぶん、1度もそういうものを見たことがないまま、女性とセックスをする人はいなくて、それが文字から写真になり、漫画、さらに動画になって、どんどん過激になっていったというのが、現代の性の問題を引き起こしている大きな原因の一つだと思います。

 ――具体的には現在の性教育の何に問題があるのでしょうか。著書の中でも、エイズ予防にコンドームの話はするけれども、セックスの話はしないということを疑問視されていらっしゃいますが、セックスそのものについても教えたほうがいいのでしょうか?

  今の性教育って、やたらメルヘンチックに命の大切さを強調して、「あなたはお父さんの何個の精子とお母さんの卵子との奇跡の出会いなのです」とか、HIVというのが広まっているのでコンドームを付けましょうとかばかり。性交渉の部分がすっぽり抜けちゃっているんですよね。でも、そこはやはり埋めた方がいいと思うんですよ。

 教育委員会の人と話したこともあるんですけれども、何しろ18歳以下の子ども達はセックスをしないことになっている。でも「産婦人科では、10代の中絶は一切ないとお考えですか?」と聞いたら、「いやあるでしょうね」って言うんです(笑)。わかっているのに、建前上、学習指導要領では、10代のセックスはないことになっているので、そうとして教育するしかないんです。つまり、性教育は「寝た子を起こすな」という観点に基づいて作られているので、寝た子はもういないという現実を見ようとしていないんですよ。

 この10年で子どもが性的な情報にアクセスすることがものすごく簡単になりました。携帯電話で見たらすぐつながるし、インターネットだって家で使える子がいるし、そういう情報から遠ざけるのは無理ですよね。昔は電話ボックスに、出張デリヘルのチラシがぺたぺた貼られていたわけですけれども。

誰がどれぐらい、教えるべきか

 ――しかし、セックスについて教えるのは難しい。新聞でも「セックス」という言葉を書いただけで、クレームが来るくらいで、特に、小中学生の子どもを持つ親から「子どもも読むのに」という反対意見がとても多い。誰がどれぐらい教えるべきなのでしょう。

  家庭での教育にはムラがあるから、義務教育の現場で教えるしかないと思います。年齢的には小学生を卒業するころか、中学生になったころが適切ではないでしょうか。ただ、現場にいる先生の話を聞くと、普段、真面目に国語とか教えているのに、「今日は命の誕生の話をします」とか言うと、性ホルモンが増える思春期の子どもは、性に対する興味が増すのでどうしてもはしゃいでしまいます。

 やはり、そういう意味では、助産師とか産婦人科医ら、外部講師がいいのではないでしょうか。でも、それは学校が呼んでくれないとできません。学校によっては、全校生徒を集めて、話を聞かせたりしているようですが、それもその学校、教師の裁量になっているので、なかなか難しいですね。

 ――性教育がどうあるべきかという話をすると、性はあんまりオープンにするものじゃない、秘め事だから隠した方がいいと主張する人もいます。

  もちろん、道ばたでセックスしていいかと言ったら、それはだめですが、いやらしい話をするのと、体の仕組みとして習うのは別物だと思います。性に関することが恥ずかしいこと、秘め事だというのと違うと思うんですよ。

 ――親の役割は?

  理想的なことをいえば、子どもの成長を見て然るべき時に教えてあげるのがいいですね。例えば、女の子の親だったら初潮が来たタイミングで教えることができると思います。わざわざ、積極的に見せることもない。例えば、子どもの部屋からエロ本が見つかった場合、「こんなもん持って、あんたは!」としかるのではなくて、ああ息子も成長したなと見守るぐらいがいい。というのは、「セックスはいけない」 「マスターベーションをするのはいけない」 「エロい写真を見て興奮するのはいけない」と言うと、子どもが本当に、性に抵抗感を抱く「性嫌悪症」になったりするんですよ。

 ――性に対してマイナスイメージを抱かせないような対応が必要なんですね。

  「お前ら親だってセックスしたから俺が産まれたんだろ」ってことじゃないですか。お父さんのエロ本をリビングに置いてますというのも困るけど、いけないもの一辺倒だと、「じゃあなんであんたら僕を産んだの?」ってことになるじゃないですか。動物として、人間としてある程度意味のある行為だということを、いけないとなったら、「いけないの?じゃあ一生しちゃいけないの?」ってことになりますよ。

セックス以外でも、相手の体の声を聞く

 ――いいセックスは人それぞれだが、悪いセックスは相手の体を使ったマスターベーションだと定義されています。いいセックスをするには相手の体の声を聞くことが大事と強調されていますが、どのようにしたら相手の体の声が聞こえるようになるのでしょう?

  相手の体の声って別にセックスの時だけじゃない。簡単に言うと、「空気をよむ」ということですよね。相手が何を求めているか、今快適にしているか、そういうことって何もいきなりベッドの上で耳を傾けるものではないと思います。

 日常生活で無意識のうちにやっていることを、ベッドの上でもやればいい。表情を見たりね。ある程度、相手の性格とか好みだってわかって、それなりに信頼関係があってセックスするわけでしょう?セックスって「プレイ」と「セックス」の両方ある。こういう雰囲気でするのが好きということ、性器や性感帯が感じているということ、両方あると思うのですけれども、その二つを、言語化されないメッセージのやり取りの中で二人で作っていくものだと思うんですよね。(続く)

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岩永直子

読売新聞 医療部記者

39歳、夫と二人暮らし

趣味は居酒屋巡りとダイエット

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6件 のコメント

週1回は自慰で抜きます

喜寿男性

>60歳~70歳台以上の男性に性欲があるのは異常なのか、また性欲処理に自慰行為をするのは異常なのかを知りたいです。私に言わせれば、60歳~70歳...

>60歳~70歳台以上の男性に性欲があるのは異常なのか、また性欲処理に自慰行為をするのは異常なのかを知りたいです。

私に言わせれば、60歳~70歳台以上の男性で性欲がないのが異常だと思います。受け皿を失った男性でセフレを見つけられない人は自慰行為で満足するしかないでしょう。

見つけられないので、動画が私の友です。侘びしいですが、これも人生。
動画に釘付けになった時、やはり異常ではないかと不安になりました。主治医は私の悩み事は…と言いかけたとき「性の問題ですか?」と助けてくれました。真面目に「はい」と答えると「男だったら皆さん同じですよ。女性は質問しませんが、もし求められれば同じと答えます」。それから会う人みながまぶしく見えるようになりました。
 
人は、みな生きているうちは、性慾を持ち、相手のいる人は相手と楽しみ、一人の人は自慰行為で楽しんでいるのです。それを異常とは言わないでしょう。

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70歳台以上の男性に性欲

喜寿男性

私は未だに性欲が強すぎて悩んでいます。妻をときどき誘うのですが、この歳になってまだやりたいの?と素っ気なく言います。 妻が嫌がるのなら別の女性と...

私は未だに性欲が強すぎて悩んでいます。妻をときどき誘うのですが、この歳になってまだやりたいの?と素っ気なく言います。

妻が嫌がるのなら別の女性とやりたいとお思いますが、女性の知人に「セックスしませんか」とは恥ずかしくて言えません。ですから週一回はオナニーで我慢しています。

妻が寝た後や、留守の時に昔を思い出しながら、喘ぎ声を出して扱きます。

性欲処理にオナニーするのは当然だと思います。別の処理方法があるのでしたら、教えてもらいたいと思います。オナニーグッズもときどき使います。

妻もオナニーグッズを見て、これで処理していると思っているようです。

先日は妻(75歳)も、風呂のシャワーを股間に当てて自慰行為をしているのを見ました。女性は性欲があってもセックスは面倒のようです。疲れるからでしょうか?

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内分泌系があやつる世界

戸定 松

年齢を重ねると、男性ホルモンの減少でもともとあった女性ホルモンが相対的に優位になると本で読んだ事があります。その結果、女性ホルモンの影響で性格が...

年齢を重ねると、男性ホルモンの減少でもともとあった女性ホルモンが相対的に優位になると本で読んだ事があります。
その結果、女性ホルモンの影響で性格がまるくなっていく事もある。
結果、性に関しては遠ざかるのかもしれないです。
ところがパートナーを性の対象で意識出来る男性はそうはいかない場合もあるでしょう。

前立腺癌の予防にもいいとは思いますので、やはり自分にあった方法で解消するのがいいみたいですね。俗に女性と暮らすと長生きというのもうなずけます。
春画や美術館でみかける男女を描いたものを見ると、なんて自由にしているのでしょうね。想像ではなくて、その光景を書いているものもあるそうです。
性を意識するのは意外とQOLを高めてよりよい人生が構築出来そうですね。
セックスでも自慰でも、可能な限り経験し続けたいものです。

どうしても、男性の性に関しては目から入る図や絵画、動画がおもになっているみたいですね。なかなか、文献として探すのがおっくうなものです。
医学書などには結構出ているのですけど、読みにくい理解しにくいなど。
なにより最近ですよね。性についての学会などが活発に紹介され始めたのは。

小説などの文章で性を頭の中で再現が上手に出来る女性に比して男性は視覚というストレートなものから情報を得るから、ついまねしたり、比較したりが得意になってしまうのかなと。パートナー同士がわかりあえる男女になるには、やはり耳で聞く習慣をつけないと男性は絵の世界で迷ってしまうかもしれないですね。

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