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歯をいたわる

元気なう

(4)酸性の食べ物で軟化

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 虫歯を防ぐためと思って、食後すぐに歯を磨くと、かえって歯を傷めてしまうことがある。

 酸っぱい食べ物や飲み物が歯に触れると表面のエナメル質が一時的に軟らかくなる。この時、歯磨きをしたり、硬い食べ物を食べたりすると、歯が削られる恐れがあるのだ。特に奥歯のかみ合わせ部分や、前歯の先端部分などがすり減りやすく、「酸蝕(さんしょく)歯」と呼ばれる。

 東京医科歯科大歯学部教授の田上順次さんによると、酸性度を示すpHが5・5以下になると、エナメル質は1分程度で溶け始める。エナメル質の下の象牙質は、もっと酸に弱く、pH6・0でも溶け始める。

 原因となるのは、ごく身近な飲食物だ。グレープフルーツ、オレンジなど、多くのかんきつ類に含まれるクエン酸にまず気をつけたい。アルコール飲料、しょうゆ、ドレッシングなどの調味料も酸性だ。

 このほか、嘔吐(おうと)や胸焼けなどで口の中にこみ上げてくる液体には、胃酸が含まれているので、要注意。酸性度の高い温泉を飲んだり、口に含んだりすることも、酸蝕歯の引き金となる。

 予防にはまず、酸性の強いものを、漫然と飲んだり食べたりしないこと。口の中を中性(pH7・0)に戻せば、唾液に含まれるカルシウムなどの成分で歯は修復される。だから、飲食後は水やお茶を口に含んで中性に戻し、約30分たって、歯の軟化が落ち着いてから歯を磨く。

 田上さんは「酸性が強いものを控えるのではなく、上手に付き合うことで、歯を守ることができる」と話す。(野村昌玄)

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