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年金のきほん

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(1)仕組みを知りたい

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  定年を控え、年金がどうなるか気になります。基本的な仕組みから教えて。

公的制度は「2階建て」

 日本の公的年金制度は、「2階建ての仕組み」と言われます。1階部分が全国民に共通の「国民年金」で、2階部分としてサラリーマン向けの「厚生年金」や「共済年金」が乗る形です。

 国民年金は、国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入が義務づけられています。年金の支給は原則65歳からで、生活の基礎となる年金という意味で「基礎年金」と呼びます。金額は40年間すべて保険料を納めた人で月6・6万円(今年度)。ずっと自営業や専業主婦だった人などがもらえるのは、基礎年金だけです。

 会社員は、国民年金に加えて厚生年金にも加入しています。公務員は共済年金です。「国民年金は関係ない」と思っている人も多いようですが、就職して厚生年金や共済年金に加入すると、自動的に国民年金にも入る仕組みです。老後は、基礎年金に加えて厚生年金や共済年金が受け取れます。金額は加入期間や現役時の賃金によって異なります。

 かつては厚生、共済、国民の各制度は全く分立していましたが、就業構造の変化で給付や負担に不公平が生じ、1986年に再編されました。

 国民年金の加入者には3種類あります。自営業者など国民年金だけに加入する第1号被保険者、会社員など厚生・共済年金にも加入する第2号被保険者、2号に扶養される配偶者の第3号被保険者です。1号は自分で保険料の支払い手続きをしますが、2号の場合は給与天引きの厚生・共済年金の保険料に国民年金の分も含まれています。3号は自分で保険料を払わずに、基礎年金を受け取れます。

 政府は、より簡潔で公平な制度にするため、すべての制度を完全に一本化する方針ですが、具体化はこれからです。(林真奈美)

 年金制度の仕組みについて、わかりやすく解説します。

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