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外科の進歩で人は幸せになったか(7)がんは痛みの信号ない

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鳥越俊太郎さん ジャーナリスト

鳥越俊太郎さん

 2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで死ぬと言っても人ごとでしょう。私も自分はがんになんかならんと思っていました。でもそうではなかった。

 2005年夏、ビールがうまくないなと思ったのがきっかけです。そのうち、朝、便器が真っ赤になりました。「これは、きっと()だ」と一瞬、良い方に考えたのですが、「今回はやられたかもしれんな」という直感もあった。人間ドックに行き、検便で潜血反応があったので、内視鏡検査を受けました。

 検査中、ベッドの上で、モニターを見ていると、馬蹄(ばてい)形に肉が盛り上がっているのが見えた。「先生、良性じゃないですよね」と聞くと、「そうですね、良性じゃありませんね」と。だから、私の場合は告知がなかった。見てしまったから、じたばたしても仕方ないという気にさせられました。

 腹に4か所穴を開け、そこからカメラを入れて手術する腹腔鏡手術を受けました。1年半後には左の肺に転移しているのがわかり、胸に3か所穴を開け、胸腔鏡を入れて、肺を一部切りました。手術自体は30分です。1週間休んで、翌週にはテレビに戻れました。

 その後、右肺も手術し、09年には肝臓への転移も手術しました。今度は腹腔鏡や胸腔鏡は使えません。38センチ切り、肋骨(ろっこつ)を開いて、肝臓の一部を切り取る。内側から縫って糸目を見えなくする「埋没法」という縫い方をしてくれたので、きれいな傷痕になりました。

 こうして私は4回の手術を受けましたが元気でいます。人の体は、体の異常を熱や痛みなどで知らせてくれますが、がんは痛みの信号を送ってくれない。気がついた時はもう遅い。

 だから、がん年齢と言われる年になったら、年に1回ぐらいはがん検診を受けた方がいい。私を見て、早めの対処がいかに大切かと感じてもらえばうれしいです。

 とりごえ しゅんたろう 1965年、京都大文学部卒。元毎日新聞記者。2005年に大腸がん発症、その後、肺、肝臓へ転移し手術。

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