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歯をいたわる

元気なう

(1)乳幼児へ菌の感染防ぐ

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 食欲の秋。食事を楽しむにも、会話を楽しむにも、欠かせないのが歯だ。

 歯を脅かす虫歯をつくるのがミュータンス菌。口にすみ着いた菌は、砂糖を分解して酸を生みだす。この酸が歯を溶かして虫歯をつくる。菌は唾液1ミリ・リットル中に1万~100万個も生息しているとされる。

 歯を菌から守るには、どうすればよいのか。

 菌は歯が生える前の赤ちゃんには存在しないため、まずは感染を防ぐことがポイント。菌は唾液から感染するため、菌を持つ家族からの食べ物の口移しや、スプーンの共有などに注意したい。

 鶴見大学歯学部教授の花田信弘さんによると、感染しやすいのは、乳歯が生えそろう生後19~31か月。感染すると、乳歯の奥歯の隣に生える最初の永久歯に菌がうつり、虫歯が広がる。このため、繁殖源となる砂糖を含む食物をなるべく控え、奥歯を中心に、大人が丁寧に仕上げの歯磨きを手伝い、菌の定着を防ぎたい。

 子供も大人も感染してしまった時は、菌の数を減らすことで、虫歯ができるのを防ぐ。その基本は、毎食後の歯磨き。だが、菌が歯の表面に作る「バイオフィルム」という粘着性の高い膜は、歯磨きだけでは落としにくい。食物繊維を多く含む食物をよくかんで食べることで、膜をはぎ取る効果が期待できるという。

 菌の除去も可能だ。歯科医院で歯型に合わせたトレイと薬剤などを使って除菌する方法があるが、保険がきかないため、自費で数万円の負担となる。

 花田さんは「虫歯は自然に治癒しない。予防と早期の治療が大切」と呼びかける。

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