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(3)顔色と機嫌よく見て

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 人間は、暑さや寒さに即座に対応し、体温を保つ恒温動物。だが、子どもは、その体温調節機能が十分発達していない。

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)環境適応研究グループ長・都築和代さんは、「子どもは、暑さを感じにくく、気づかぬうちに体温が上がってしまうこともあります。気候に応じて、親が、衣服の調節や水分補給を意識して促しましょう」と話す。

 ただし、汗をかくことや、血管の収縮や拡張など体温調節の働きを良くするには、暑さや寒さの刺激が必要だ。エアコンの使いすぎには気をつけたい。

 発熱時には、どう対応したらいいのか。基本は体に熱をこもらせないこと。エアコンを上手に使い室温と湿度を快適に保つこともこの場合は大事だ。

 太い血管が走るわきの下や股の付け根を適度に冷やすのも良い。子どもが嫌がるなら無理に冷やす必要はない。といっても、厚着をさせて熱を発散しにくくしたり、熱いお湯のシャワーなどで体を温めたりするのは避けよう。

 発熱の判断は、一般的には平熱より1度以上高いことが目安とされるが、熱の有無だけで、重症度は判断できない。

 (はなわ)小児科医院(東京都中央区)院長の塙佳生(よしお)さんは、「体温は全身状態を知る大事な要素の一つですが、顔色や機嫌など様子をよく見てほしい。『いつもと違う』という大人の気づきが、症状を伝えにくい子どもの病気の早期発見に欠かせません」とアドバイスする。(中島久美子)

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