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放射線検査機器、精度に差

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食品計測に適さないものも

GM管式サーベイメーター(右)など様々な放射線検査機器

 食品の放射性物質の検査が自治体や流通業者などに広がっているが、検査に使われる機器や特徴はあまり知られていない。検査機器は、種類によって精度も異なり、食品の検査に適さないものもある。検査の中身に関心を持ちたい。

 スーパーなどの流通業者や食品メーカー、飲食店などでも、「食品の安全を確保したい」として放射性物質の検査に取り組む動きが広がっている。ただ、検査に使う機器はまちまちなのが現状だ。

 「検査機器には様々な種類があり、精度が違います」。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)計測標準研究部門量子放射科長の斎藤則生さんはこう説明する。検査機器は放射線を光や電気の信号などに変換し、放射線の強さや種類を調べる。現在問題となっている放射性セシウムのガンマ線を測る機器は主に四つに分けられる=表=。

 よく名前を聞くのが「ガイガーカウンター」とも呼ばれる「GM管式サーベイメーター」。GMとは、ガイガーとミュラーという開発者2人にちなむ。大気中の放射線量や物の表面の汚染を調べるのに使えるが、「食品の暫定規制値を超えるかどうかは測れません」と斎藤さん。このレベルの微量の放射線は検知できず、誤差が大きいからだ。

 シンチレーション検出器は、放射線を吸収すると光る物質「シンチレータ」を使って測る。精度によって2種類ある。

 「ゲルマニウム半導体検出器」は、ゲルマニウムの結晶を使って測る仕組み。放射性物質の種類ごとに測れる。各自治体や大手スーパーなどの食品検査は通常、この機器を使って行われるが、高価で台数が少ない。

 日本原子力研究開発機構(群馬県高崎市)の小林泰彦さんは機器の特徴を貯金箱で説明する。

 GM管式は「コインやお札の落ちる音の数を数える」。お金が落ちたことはわかるが、金額まではわからない。お金の有無、つまり、放射性物質が付着しているかどうかがわかる程度だという。

 シンチレーションは「コインとお札を見分けることができる」。大まかな額はわかるが、正確さにやや欠ける。

 ゲルマニウム半導体検出器になると「コインとお札の種類と合計金額がわかる」。

 厚生労働省は7月末、牛の全頭検査を実施する場合は、まずシンチレーションスペクトロメーターなどでスクリーニング(選別)検査をすることも認めた。野菜や水産物の検査への使用については「検討中」という。

 業者の自主検査には、GM管式で食材を調べている例もある。検査の際は「校正」と呼ばれる機器の補正も必要で、金属の箱で自然界の放射線を遮断するなど適切な条件で測る必要がある。検査機器の種類は公表されていない場合もあるが、斎藤さんは「どのような機器でどう検査されたかに関心を持ってほしい」と話している。

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