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医療部発

医療・健康・介護のコラム

マウスピースって、すごい

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 マウスピースというと、すぐに思い浮かぶのが、スポーツ選手が使っているマウスガード。歯を守ったり、力を発揮しやすくしたりするのが目的です。

 そのほか、簡単な歯列矯正に使うこともありますし、顎関節症の患者が、あごの痛みの緩和のために使うこともあります。さらには睡眠時無呼吸症候群の患者が、睡眠中に舌根部が落ち込んで呼吸を邪魔しないように、下あごを前に出すためにはめることもあります。

 いろんな使い方があるマウスピースですが、今回の医療ルネサンス「口の機能回復」の取材で驚いたのは、完全にずれたあごを元の位置に戻すのにも使われていたことです。

 口腔がんであごの骨や肉を失うと、通常は手術時に体の他の部分の組織を移植して再建します。ところが、移植がうまくゆかないと、あごが安定せず、ずれることがあります。それでは、たとえ歯があってもかむことはできません。

 そんな場合、昭和大歯科病院口腔リハビリテーション科では、患者のあごのずれに合ったマウスピースを作り、少しずつ補正していきます。

 写真を見ると、完全にずれていたあご(写真1)が、ずれに合わせたマウスピースを使用することで(2 、 3)、1年でかみ合うようになった(4)ことがよく分かります。口の状態が十分に安定したら、チタンなどプレートを使って、あごを正しい位置に固定するそうです。

 手術などせず、口にはめるだけで、ここまでできるとはびっくりですね。

 
 

 

藤田勝 2008年9月から医療情報部。主な取材対象は、終末期医療、皮膚の病気、歯科診療、感染症など。趣味は、温泉旅行、皿洗い。

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医療部発12最終300-300

読売新聞東京本社編集局 医療部

1997年に、医療分野を専門に取材する部署としてスタート。2013年4月に部の名称が「医療情報部」から「医療部」に変りました。長期連載「医療ルネサンス」の反響などについて、医療部の記者が交替で執筆します。

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