文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

いきいき快適生活

介護・シニア

[認知症と向き合う](17)輝き続ける文才

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 認知症の診療にあたっている医師仲間で、最近、「自分は認知症ではないか」と不安になって自身で受診するケースが増えている、という話になりました。

 これまでは、ご家族などが困って認知症のご本人を連れてくる、というケースが大半でした。暴力や暴言がひどい、徘徊(はいかい)をするなどの訴えに対し、私たちも、ある時は症状の原因となる薬や体のことを調べて対応し、またある時はどうご本人と接したらよいのかをご家族とともに考える、といったことをしてきました。

 こうした医療ニーズは今もたくさんありますし、今後もあるでしょう。ただ、「自分は認知症ではないか」「認知症が進行したらどうなるのか」という不安を抱えたご本人からの問い合わせも、多くなってきたということなのです。

 ここ数年、認知症のご本人が書き留めた手記やブログを読む機会があります。皆さんの中には、認知症になると頭が悪くなると思っている方がおられるかもしれませんが、想像に反して、優れた文才のある人は認知症になっても優れた文章を書き続けるというのが私の実感です。たとえ、誤字脱字が増えても、文章の基本構造が崩れてきたとしても、です。まさに、人の心をとらえるような文章です。認知症を抱えることにより、一層、輝くような文章を書かれる方もいます。

 認知症になると、自分が壊れてしまうという絶望感に襲われがちです。それで不安になって受診する人も増えているようです。ですが、文章の例で示したように、すべてできなくなるわけではありません。最期まで、自分が人生の主人公のままで生きていけるように、人生のごく普通の一つの過程として受け止められるような世の中になるとよいなあと思います。(木之下徹、「こだまクリニック」院長)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

いきいき快適生活の一覧を見る

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、ヨミウリ・オンライン(YOL)、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事