日野原重明の100歳からの人生
介護・シニア
あなたは早朝高血圧ではないですか?
知ってほしい新しい高血圧の知識
高血圧症の知識は、一般の日本人に普及していると思われますが、早朝高血圧は開業医や病院の研修医にも知られていない種類の高血圧です。
これは50歳以上の年配者、特に70歳以上の方に案外よくみられる高血圧症です。
安静にして寝ていても、朝5~7時になると急に血圧が高くなるのです。私は90歳を過ぎてから私にもこの事実があることを知ったのですが、毎朝の目覚めの時、私の場合は日中の血圧は135/70ですが、午前6時半頃に150/90と上昇し、そこでごく微量の降圧剤(私の場合はアダラートを5㎎ 、いちばん小さい錠剤の1/2)を飲むと、20分後には120/70に下がって、その後、普通の血圧値が終日つづき、夜半12時に寝る時の値もそのまま低い値が持続します。早朝になると、血圧が一時上昇するのです。
自動血圧計で血圧変動あることに気づく
このことは今から10年前までは、日本の循環器専門医にも一般内科医にも知られなかったのです。私は自分がそうなった時にこれに気づいて、自動血圧計で一日24時間のうち6時間ごと、特に早朝血圧を測って、このような血圧変動があることに気づきました。
そこで私は、血圧は医師の診察を受ける時の血圧測定だけでは不十分なので、自宅や仕事で勤務中にも一日4回くらい測るほか、目覚めた時の早朝血圧を測ることを勧めています。自宅で血圧を測った値と医師の診察室で測った値と比べると、診察室で測った値のほうが高い人がいます。これは白衣高血圧といい、医師の前では緊張して血圧が一時的に高くなるもので、この時交感神経が刺激されるので細小動脈が収縮するためです。早朝高血圧症も目覚めの時に交感神経が緊張するので、一時的なサージ高血圧になるのです。
体温計、体重計、自動血圧計…健康のための「三種の神器」
そのためにも体温計、体重計、そして自動血圧計の三つを私は健康のための「三種の神器」だと呼んでいます。
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