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いきいき快適生活

介護・シニア

朝食ない子、食べに来て

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困窮や親の病気 生活習慣も改善

 家計の窮迫や親の仕事の都合で、きちんとした食生活を送れない子どもらを支援する取り組みが、各地で行われている。栄養状態だけでなく、生活習慣の改善にもつながるとして、専門家らも注目している。(中舘聡子、写真も)

地域にサロン

談笑しながら、子どもたちやボランティアと朝食を食べる幸重さん(右から2人目)(京都市山科区で)

 「お母さん、今日はいないんやね。ごはん、どうしてる?」

 「自分で作ったり、弁当を買ったり」

 「忙しいのに、えらいなぁ。いつでも食べに来たらいいからね」

 子育て支援などに取り組むNPO法人「山科醍醐こどものひろば」(京都市山科区)が、平日朝に開いている「朝食チャリティーサロン」。同法人理事長の幸重忠孝さん(37)が、初めて訪れた女子高生らと食卓を囲んでいた。

 同サロンは昨年7月、商店街の空き店舗に開設した「こども生活支援センター」の活動の一環として始まった。スクールソーシャルワーカーでもある幸重さんは、親の病気や仕事で朝食を作ってもらえず、午前中は元気がなかったりイライラしたりする子を多く見てきた。「そういう子どもたちが当たり前の生活を送れるような環境を、地域ぐるみでつくる必要性を感じた」と語る。

 朝食の時間は午前7時半~10時。地域の誰でも利用でき、小中学生や一人暮らしの高齢者ら1日平均5人が訪れるという。1食350円で、近所の定食屋が調理したものを提供。代金の一部は、生活困難な家庭の子どもたちに無料で配る朝食券に充てられ、現在は5人が利用している。

 ちゃんと朝食をとるようになったことで、昼夜逆転の生活を送っていた子が正しい暮らしのリズムを取り戻すなど、徐々に成果も表れている。最近は、地域の人が「近所に支援が必要な子がいる」などの情報を寄せてくれるようになった。幸重さんは「支援の仕組みを確立し、他の地域にも広げられれば」と話す。

児童館で食事提供

 厚生労働省によると、所得が標準世帯の半分以下の家庭に属する17歳以下の割合を示す「子どもの貧困率」は、2009年で15・7%と調査開始の1985年以来、最も高かった。一人親世帯に限れば、子どもの2人に1人が貧困状態だった。また、国立社会保障・人口問題研究所が行った2007年の調査では、一人親世帯の約4割が、過去1年間に経済的な理由で食べ物が買えないという経験をしていた。

 こうした中、子どもの食事支援に力を入れる施設なども増えている。東京都福生市の「熊川児童館」は昨秋から月1回、地域の子どもを対象に100食を無償提供する「くまっこまんぷくDAY」を始めた。地域の人も調理などで協力している。

 「館内で暴れて物を壊したり、けんかしたりする子が減った」と、同館長の杉山由美さんは話す。ただ、食材費に充ててきた民間団体からの助成金が底をつきつつあり、財政面は厳しい。同館の敷地で野菜を作って自給するなど、継続への努力を続けているという。

 「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークの共同代表を務める湯沢直美・立教大教授(社会福祉学)は、「食欲を満たすことは情緒の安定や生活への活力にもつながる。一連の取り組みは、子どもの貧困対策を地域づくりの一環と位置づけた点がユニーク。支援を受ける家庭の抵抗感を軽減させる効果もある」と評価している。

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