歌手 増田恵子(ますだけいこ)さん 53
一病息災
[歌手 増田恵子さん]バセドー病(2)同じ病 姉の存在が支えに
手の震えなどで仕事にも支障が出始めていたが、5年以上も病院には行かなかった。ピンク・レディーで売れっ子だった時は毎日15本近くの仕事をこなし、睡眠時間も2、3時間取れればいい方だった。
「当時の仕事の仕方や体調が当然のことだったので、ちょっとやそっとのことは我慢できたのです」
歌うのも苦しくなっていた1998年2月、故郷の静岡に住む3歳上の姉から電話があった。
「私、バセドー病になっちゃったのよ」
体の震え、息切れ、疲れやすさ。症状が自分とすべて一致する。姉に「病院に行きなさい」と言われ、4月に都内の病院に行った。
反復横跳びや階段の上り下りをして心拍数などを測る検査をしたが、苦しくて最後まで続けられない。血液検査もして、のど元に広がる甲状腺を触診されて医師から「バセドー病ですね」と診断された。
「むしろ安心しました。原因がはっきりしましたし、姉が一歩先を行き、薬を飲んで症状が良くなっているのも知っていましたから」
甲状腺ホルモンを増やす海藻の摂取を控えるなど食事や薬について姉と情報交換した。姉に言われて心が軽くなった言葉もある。
「薬を飲めば良くなるんだから、一生付き合うつもりで行きましょうよ」
同じ病を歩む姉が闘病生活の一番の支えだった。
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