文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

はつらつ健康指南

健康・ダイエット・エクササイズ

快眠促す工夫と習慣

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 厳しい暑さで、今夏はとりわけ寝苦しい夜が続く。子どもの体力を維持し、夏バテを防ぐためにも、日々の睡眠は大切だ。「早寝早起き」の習慣づけも含め、快眠できる環境づくりを心がけたい。

ぬるめのシャワー、照明薄暗く

 東京都板橋区の東京家政大学に併設されている保育所「ナースリールーム」。0~3歳の園児14人が、年齢などに応じて1日に30分から1時間半程度、昼寝をとっている。昼寝の前には、38~39度のシャワーを浴びることが多い。

 主任保育士で同大非常勤講師でもある井桁容子さんは、「ややぬるめのシャワーで汗が洗い流され、さっぱりするとともに、体がリラックスして眠気を誘います」と話す。家庭での入浴も同様に、38~39度の湯温が望ましいという。

 子どもは大人より体温が高めで、汗をかきやすい。井桁さんは「発汗は自然な生理現象ですが、気になる場合は、寝ついてからしばらくは背中にタオルなどを入れてやると、快適なうえ、寝冷えも防げます」とアドバイスする。

 今夏は政府の節電要請もあり、冷房の設定温度を高めにしている家庭が多い。東北福祉大准教授の水野康さんによると、設定温度として推奨されている28度のままだと、夜は体温が下がりにくく、寝付きづらいという。「眠り始めの時間帯は眠りが深く、昼間の疲れを取るために重要だ。寝入りばなから2~3時間は、必要に応じて26度ぐらいに設定しておくのがお勧めです」

 室内の明るさにも気をつけたい。水野さんによると、就寝の1~2時間前から、眠気を催すメラトニンというホルモンが分泌されるが、明るいままだと出にくくなるという。「子どもの夜更かしは、室内が明るすぎて眠くならないことも原因だという見方があります。ホテルの客室のような、暖色系の薄暗い明かりが睡眠前には適しています」

 小児科医で東京ベイ・浦安市川医療センター長の神山(こうやま)潤さんは、「生活リズムを保つことが、質の良い眠りには欠かせない」と説く。「早起きして日の光を浴び、昼間はなるべく体を動かす。規則的に食事を取り、夜は刺激の強いテレビやゲームを控える。人間は昼行性だということを、改めて自覚すべきです」と呼びかける。

 子どもが睡眠を十分にとっているかは、1日で最も眠気が少ない午前10時~正午に眠そうにしているかどうかが、ひとつの目安になるという。「この時間帯に眠そうにしていたら、まず生活リズムを見直しましょう」

 環境を整えても寝苦しそうにしている場合は、子どもでも、へんとう肥大などで睡眠時無呼吸症候群になっているケースがあるという。「いびきが習慣になっているような場合は要注意です」と神山さんは話している。

子どもの睡眠環境を整えるポイント、注意点

・汗をかきやすい頭の下などにタオルを敷く
・冷却シートを体にあてるなどして活用する
・扇風機の風は体に直接当てない
・夕食は就寝の2~3時間前には済ませる
・夕方以降はカフェインを含む緑茶、コーラなどは飲ませない。水分補給は水や麦茶、そば茶などで
・夜間は子連れの外出を控える
・子守歌を歌ったり、体をさすってやるのも有効
・寝入りばなに、ぬいぐるみなど好きなグッズを持たせるとリラックスできる
(井桁さん、水野さん、神山さんの話を基に作成)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

はつらつ健康指南の一覧を見る

最新記事