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(1)病気経験したから、患者の気持ち分かる

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 被災者を励ますために結成された「よみうり元気隊」の一環で、聖路加国際病院(東京)理事長の日野原重明さんが6月12日、福島市のあづま総合体育館の避難所を訪れました。「健康セミナー」と題した特別講演で、元気に長生きするための知恵を伝授しました。特別講演の詳しい内容をお伝えします。

日野原重明(ひのはら・しげあき)
 1911年山口県生まれ、1937年京都帝国大学医学部卒業、41年聖路加国際病院の内科医となる。1998年、東京都の名誉都民、99年文化功労者、2005年、文化勲章を受章。今年10月に100歳を迎える。

 今日はみなさんに、どうすれば健やかに長生きができるかという話をしたいと思います。この中で90歳を超えた方はおられますか?(手を挙げる人なし) 85歳を超えた人は? 80歳を超えた人は?

 みなさん若いのですね(笑い)。75歳を超えた人は? ちょっと手を挙げられましたね。65歳を超えた人は? まだまだお若い方もおられますね。

 1947年(昭和22年)、約70年前の日本人の平均寿命は男子50.06歳、女子53.96歳でしたから、当時は人生わずか50年と言われていました。

 100歳以上の人は、60年前にはわずか125人でした。ところが今は、なんと4万4000人を超えました。私は今年10月に100歳を迎えますが、私以上の年齢の人が4万4000人もおられるのです。そのうちの8割が女性で、2割が男性です。将来は100歳以上の方はもっと増えてくると予想されています。

 男性の平均寿命が女性に比べて約6歳少ないのは、若い時に無理をするからです。女性が長生きするのは、子供を産むという役目を持っているので、神様が女子の命を長くして下さったのかもしれません。

 私は10歳の時に腎臓炎になりました。腎臓炎という病気には今でも薬がありません。急性腎臓炎は、ただ静かにして、たんぱく質をあまり食べないで過ごすしかありません。主治医の先生から「1年間は運動をやめなさい」と言われました。私の母がそれをかわいそうに思って、「重明にピアノを習わせよう」と言いました。私は病気になったために、ピアノを習うという機会が与えられました。だから、私は医者でありながら音楽的な活動もするようになったのです。

 私は京都帝国大学医学部に入学しましたが、2年に進級する時に肺結核に罹りました。その頃は結核に効く薬がありませんでした。ただ安静にして寝るだけです。8か月の間トイレにも行けないほどでした。

 毎日寝たままですから、腰が痛くてしょうがない。そのような時に母が腰の下に手を差し入れてくれると、なんとなく楽になります。私は医者になってから、長い間病床にある患者さんを診察する時には、患者さんの腰の下に手を入れてあげたりします。患者さんは、「先生にそんなことをやっていただくのは・・・」と遠慮されたりするのですが、私はそうされると体が楽になることを知っていますから、ついそのようにしてしまうのです。このようなことは病気をしたお医者さんでないと分からないことではないでしょうか。私は病気を経験したから、患者の気持ちが分かるのです。(つづく)

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