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対談(4)中高年、もっと自己チューでいい

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 田中 今度は高齢期の健康について伺いたいんですけれども、中高年で特に今問題になっている、精神的な問題と言うと、どういうことがありますか。

 香山 高齢者の方は病気になって、家族に迷惑かけたくないとすごく心配しています。病気を心配するあまり、過剰に「検査をしてほしい」と訴える人もいます。

 そういう方を見ていると、「もう人生60年、70年一生懸命頑張ってきたんだから、少しぐらい迷惑かけたって、家族に世話してもらえばいいじゃないですか」と、言いたくなります。

 田中 ご著書の中でも、年をとった時くらい、あるいは死ぬ時くらい、人に迷惑かけてもいいじゃないかというふうに書いていらっしゃいますね。

 香山 私は、そう思います。

 田中 年をとって、そういうふう思えるようになるには、何かコツみたいなのはありますか。

むしろ中高年が肩身の狭い思い

 香山 若い人は、それこそ自己チュー(自己中心主義)とか言われている人が多いのですが、中高年以上の人は逆に、もっと自己チューになっていい。「私だって頑張ってきたんだから」とか、例えばさっき言ったように、何か新しい機械についていけなくても、「そんなもん、私はわかんないわよ」とか言って、もっと頑固おばさん、頑固おじさんなってもいいんじゃないかと思うんですよ。

 何か今の日本、若い人が虐げられていると言う人もいるんだけど、私はむしろ中高年の人たちが肩身の狭い思いをして生きている気がします。それは理不尽だなと思います。そういう人たちが怒りの声を上げてもいいと思いますけどね。

 田中 ディスカッションの最後に、日本人が今後、希望を持って毎日を送っていくためにどうしたらいいのでしょうか。

 香山 成長とか向上とか、発展イコール善みたいな、そういう考えをまず変えて、経済の順位は下がっても、それは必ずしも不幸とか悪ではない、あるいは敗北とか衰退とかではなくて、それは成熟とか、あるいは落ち着きとか、そういう別の豊かさなんだというふうに捉え直す。そういう発想の転換が必要です。

 ブータンという国が実は世界の中で幸福度が高いということが、震災前にもよく話題になりました。人々が和やかに落ち着いて暮らせるブータンのような国を、本当にある意味目指さざるを得ないようになるのかも知れませんね。

 田中 藤本さんはいかがですか。

日常生活、普通に送れる幸せ…小さな幸福探していければ

 藤本 そうですね、現代社会が便利になって、いろんなものを利用すれば一人でも生きていけるというふうに、私たち、ちょっと錯覚していた部分があったと思います。普通に日常生活を送れることが幸せだと、大震災後に感じることが多くなりました。身近な人に親切にしたり、香山さんが言われたように当たり前のことを褒め合ったり、そういった感じで小さな幸福を探していければいいんじゃないかなと思いました。

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