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冒頭発言・更年期は、うつになりやすい時期…藤本由貴さん

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 基調講演に続いて、香山さんと、金沢医科大学病院女性総合医療センター医師・藤本由貴さんが対談し、心の健康のために、私たちがどうしたらいいのかなどについて、話し合いました。

 コーディネーターは、田中秀一・読売新聞東京本社医療情報部長が務めました。

 冒頭、藤本さんが、女性に特有の心と体の問題について話しました。

金沢医科大学病院女性総合医療センター医師 藤本由貴(ふじもと・ゆき)
 1975年石川県生まれ。2005年金沢医科大学大学院修了。山陽新幹線運転士による居眠り運転(03年)で注目されるようになった睡眠時無呼吸症候群や、喘息、肺がんなどの呼吸器疾患を診療している。総合内科専門医、呼吸器専門医。10年、金沢医科大学病院女性総合医療センターで女性外来にも従事。11年4月からは、金沢市内の浅野川総合病院に勤務している。


広まりつつある性差医療の概念

 女性は、生活スタイルの健康への影響も男性と大きく異なっています。しかし、これまでの医療は、女性の特性を踏まえた医療サービスとしては十分ではありませんでした。金沢医科大学病院の女性総合医療センターは、医師をはじめとするスタッフすべてが女性で構成されています。男性医師ではなかなか聞き出せない悩みや症状の診察に当たっています。その上で総合的な観点から最適な治療方法を決定し、必要に応じて専門診療科への橋渡しをしています。

 近年、男女の違いを考慮した性差を尊重した医療の概念が広まりつつあります。従来の診断方法や治療方法の多くは成人男性のデータをもとに確立されてきたものであり、現在の医療は男女の性差を十分考慮したものとは言いがたいのです。

 遺伝子やホルモンといった身体的な要因、社会や家庭の役割の違いにより、疾患の発症や経過に大きな男女差があると言われております。男女比が圧倒的に一方の性に傾いている病態の例を挙げますと、痛風は男性に、また、リウマチなど膠原病は女性に多いことが知られています。

 女性は子どもを妊娠して産み、育てて、人類をつないでいくという大切な任務があります。思春期からは月経が始まり、妊娠・出産の準備をします。出産の後は育児、それを終えてさらに更年期を迎え、老年期に入るまで、長い生涯に起こる女性特有の症状や病気は極めて多様です。

ホルモンの働き、女性の心と体に大きな影響

 女性の一生は女性ホルモンに支配されていると言われるほど、年齢とともに変化するホルモンの働きによって女性の心と体は大きな影響を受けます。例を挙げますと、更年期障害による精神症状として、めまい、不眠、不安感、睡眠障害などがあります。揺れの激しい船に乗っているようなふらふらした感じなどが更年期症状のめまいの特徴です。寝返りや体の向きをかえたときに、めまいを感じることもあります。このようなめまいが起きた場合は、少し薄暗くして静かに横になると症状が和らぎます。

 また、更年期になると、汗をかきやすくなり、体がほてって眠れない場合があります。寝つきが悪くなる、途中で眼が覚めるといった睡眠障害をきたすこともあります。また、よく寝ているように見えても、不眠に悩んでいる人はいます。このような更年期の症状があまりにも重い場合には、ホルモン補充療法がとても効果的です。また、睡眠時無呼吸症候群の患者さんも更年期以降の女性に多く見られます。

 このように、更年期となっていろいろな体調不良を認め、生活面でも、子どもが就職、また、結婚などによって家庭から離れたり、近親者の介護をする必要が出てきたり、親しい人の死別を迎える機会が出てきます。このような変化によって、自分の体力の衰えを自覚とともに、精神的な衝撃を受けたり、喪失感などを身にしみて感じたりすることが多くなります。心身ともに変化する時期であり、うつ病になりやすい時期でもあります。このような症状は脳や神経に器質的な疾患の可能性もありますので、自己判断は大変危険です。病院への受診をお勧めします。

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