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基調講演(3)「心を保つ」方法、第三者の目で見る…香山リカさん

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「不安の時代に心を保つ」

 震災前からの様々な問題に、さらに震災によって生じた問題が加わり、今、この日本にいる私たちの心は二重、三重のダメージを受けています。

 そういう中で、私はここまで、自分の持ち場でじっくり腰を据えて、心を保つことの大切さについて話をしました。じゃ、どうすればいいのか。どうやって私たちは、自分を保てばいいのか。

 患者さんたちを診ていて、やっぱり昔も今も、多くの方を悩ませるのは対人関係の問題ですね。

 対人関係といっても、親子もあれば、職場の人もあれば、夫婦もあって、いろいろあります。

 この対人関係の問題ですが、一対一で向き合ってしまうと、もう逃れられません。嫌なことを言われたらグサッとくるし、どーんと落ち込むし、カーっとなるし、自分をコントロールできなくなっちゃう。それを繰り返していると、心はものすごいエネルギーを消耗してしまうと思います。

 だから、そういう時にはちょっと引いた視点で、自分をちょっとこう浮かしてみて、自分と相手を第三の目から見てみる。よく俯瞰(ふかん)して見るとかいいますよね。

 そういう引いた視点で、「あ、またあの人怒ってるわ。私ったら、また怒られてる。私、今、グサッときてるな。でも、これ、私、もしかして疲れているからかもしれないな。最近体調も悪いし。体調よかったら、あんなにいつも怒る人に怒られても、あ、すみませんでしたって言ってうまくやり過ごせるのに。疲れてるんだな。きょうはちょっと早く帰ってゆっくり寝ようかな」と、その状態を眺めてみるわけです。

 その怒っている相手についても、「ああ、また怒ってるわ。あの人、何か毎週金曜日になると怒るんだな。あの人、単身赴任で土曜日は奥さんのところに帰るって言っていたから、それがちょっと嫌なのかも」なんて、違う視点で見られますよね。

 自分が今いる状況をちょっと斜めから見るとか、ちょっと上から見るということが少しできれば、悲しいとか、いらいらするとか、腹が立つとか、そうした激しい感情からちょっと自分を遠ざけることができるかもしれません。

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