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(2)検査…頚動脈と腕の血管、超音波で測定

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パネリスト(順不同、敬称略)
島田和幸 自治医大病院長
植木浩二郎 東大医学部糖尿病 代謝内科准教授
名郷直樹 武蔵国分寺公園クリニック院長
髭男爵 お笑いタレント

司会:好本恵 フリーアナウンサー

 ――髭男爵の二人は島田先生の自治医大病院で、動脈硬化の検査を受けました。どんな検査ですか。

 島田 一つは、首の動脈((けい)動脈)を超音波で診る検査です。頸動脈は心臓から脳へ血液を送る動脈です。この血管の動脈硬化が進んでいると、ほかの部分の動脈硬化も進んでいると考えられます。

 頸動脈が狭まっていないか、血管内膜がでこぼこしていないか、などを診ます。また、動脈硬化が進むと内膜が厚くなります。正常値は1ミリ以内です。髭男爵のお二人とも正常でした。

腕の血管「準備段階」発覚…髭男爵・山田

 ――もう一つ検査を受けたのですね。

 島田 超音波を使って腕の血管の健康度を診る「FMD検査」です。腕を圧迫して血流を止めた後、開放しますと、血管の内皮細胞から一酸化窒素(NO)という血管を拡張する物質が出ます。このNOがどれだけ放出されたかは、どれだけ血管が拡張したかを診ることで分かります。血管拡張が少ない場合は、動脈硬化が進み、NOを放出する内皮機能が衰えていることを意味します。

 ひぐち君は健康な状態でしたが、山田さんは内皮機能が低下していました。動脈硬化が進む準備段階に入っていると思われます。

 ――検査はどのくらいの頻度で受けたらいいのでしょうか。

植木浩二郎(うえき・こうじろう) 東大医学部糖尿病 代謝内科准教授 87年東京大医学部卒。07年より現職。専門は糖尿病学・代謝・栄養病態学。肥満に伴うすい臓のベータ細胞の変化などを研究。

 植木 頸動脈の超音波検査は、確立された検査で、しかも、非常に簡便な検査です。糖尿病、高血圧など危険因子がある人は、1年に1回ぐらい受けたらいいのではないか、と思います。

 一方、FMD検査は比較的新しい検査で、どこの医療機関でも受けられるものではありません。かかりつけの医師に相談していただきたいと思います。

 動脈硬化の危険因子は自覚症状がないのが特徴です。血液検査なども含めて定期的に健康診断を受けることが大切です。

 名郷 検査を受ける回数など、厳密に決めなくてもいいのではないか、というのが私の立場です。たばこを吸わないし、血圧が低い、太ってもいない人ならば、必ずしも毎年1回、検査を受けなくてもいいと思います。検査結果を、本人がどのように受け止め、理解するかが、重要となります。

 例えば、医師に「この検査値だと、心筋梗塞の発病率が3倍になります」と言われると、「すごく危険だ」と受け取ってしまいますね。でも、3倍危険と言っても、「10年間に100人に1人が発病するのに対し、100人に3人が発病する」と聞けば、それほどではないな、と思われるのではないでしょうか。医師の説明を的確に解釈していただけたらと思います。(つづく)

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