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女優 高樹澪(たかきみお)さん 51

一病息災

[女優 高樹澪さん]片側顔面痙攣(4)成功率7割の手術にかける

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 「仕事を辞めます」

 2003年4月、所属事務所の社長に電話し、一方的に告げた。

 それまでの「女優・高樹澪」から自分を断ち切りたかった。別の町に転居し、携帯電話も解約した。もう必要ないと思い、指輪やネックレスなど貴金属類も全て古物商に売り払った。

 ビルの清掃、ラーメン店の皿洗い、警備員……。アルバイトを転々とした。職場では眼鏡をかけ、化粧もしなかった。だが、整った目鼻立ちから同僚たちは気づく。「女優の高樹さんが、なぜここにいるの?」

 精神的なものが顔面の痙攣(けいれん)を誘発しているのではと疑い、心療内科にも通った。「軽いうつ状態」と診断されたが、処方薬を服用しても痙攣は改善しなかった。

 顔がピクピクする頻度は増してゆき、10秒に1回のペースに。食べ物や水が唇の端からこぼれてしまうこともあった。

 知人の勧めで、06年5月に都内の脳神経外科を受診した。医師は「片側顔面痙攣」の病名を告げ、「手術するなら、今だよ」と促した。一方で、成功率は7割で、失敗して命を失う可能性もあるとも説明した。不安がった母親は涙を流しながら手術をやめるよう求めたが、「医師を信じて、命を預けよう」と決断した。

 全身麻酔で頭部を開き、接触した血管と顔面神経を剥離させる手術は実に5時間に及んだ。

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sokusai_117

 
 

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