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(5)脂質異常症 注意すべき食べ物は?
脂質異常症はコレステロールなどの脂肪の異常です。悪玉コレステロール(LDL)と呼ばれるものが140以上あれば要注意です。常時160を超えていると動脈硬化を進めるため、治療が必要になります。
長生きの家系の方は、善玉コレステロール(HDL)を調べると非常に高い。普通は50から60ぐらいが多いのですが、中には80とか100を超える方もいます。HDLは40を切ると危険領域です。
40を切って39以下の方には2つぐらいパターンがあります。1つは喫煙者。喫煙するとHDLは減っていきます。もう1つは中性脂肪の高い方。中性脂肪が300、400となって高くHDLが下がってきた方は、中性脂肪を本格的に減らすようにしなければなりません。
たまごの取りすぎに注意
コレステロールが多い方は、なるべくコレステロールが多い食品を食べるのを控えましょうとお話しています。ですが、ある食べ物をやめてしまうのはさびしいので、私はしょっちゅう食べるものについて、控えたほうが良いですよとお話しています。
その代表はたまごです。たまごは、健康のため毎日たくさん食べていますと言われる方がいますが、たまごの黄身は毎日1個以上食べると10くらいはコレステロールがすぐに上がってしまいます。正常な方は食べてもいいのですが、コレステロール、特に悪玉コレステロールが高い方は、できたら1週間に1個くらいにして欲しいですね。コレステロール過多の検査データが出たときは、まずたまごを控えめにして下さい。
でも、たまごって、マヨネーズ、プリン、クッキー、ケーキのスポンジ部分など多くの料理やお菓子類に入っていますよね。食べてはいけないのではなく、悪玉コレステロールが高値の時には、毎日は食べないで1週間、10日に1個ぐらいと減らして欲しいということです。
あとは野菜。野菜には繊維質が多いので、腸を刺激して便秘も治りますし、コレステロールが身体に入るのをブロックしてくれます。野菜をたくさん取るのは非常に良いことです。
適度な運動も効果的
もう1つ。適度な運動を毎日すること。一番いいのは歩く距離を増やすことです。
私は最近まで車通勤でしたが、どんどんメタボリック体型になってしまい、腹囲を測ってみたら86センチありました。これはまずいと一念発起し、地下鉄で通うようになりました。
最初は、乗り換えなど歩くのが嫌でしたが、夏の暑いときは冷房、冬の寒いときは暖房がきいている中、快適な環境で歩くことができると気づき、歩いています。毎朝15分ぐらいの腹筋体操もおこなったら腹囲は84を切るまでに落ち、やっぱり運動は必要なのだなと実感しました。
私がみなさんに言いたいのは、食べてはいけないということではないのです。たとえば「いくら」や「いか」。これらはコレステロールが多く食べてはいけないという部類に入っていますが、いくらなんでも頻度は多くないはずです。数えるほどですよね? そんなものはときどき食べてもかまわない。
それよりも、しょっちゅう食べるコレステロールの多いものを週一にしてコントロールしてほしいと思います。
昨年11月、東京・赤坂の山王病院で開かれた天野隆弘・山王メディカルセンター院長による講演「人間ドックの上手な受け方」の内容を、詳しくお伝えしています。
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