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(1)室温 暑くない程度に

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 高温多湿の梅雨を、節電しながら健康に乗り切るには、どうすればいいのか。

 人の体は、体温を36~37度程度に保とうとする。気温が高いと、まず汗をかき、蒸発する時に熱を奪う「気化熱」で体温を下げる。体の表面に血液を多く回して放出する熱量も増やす。

 北里大医学部公衆衛生学講師の和田耕治さんによると、梅雨時は、この体温調節機能がうまく働かなくなる。湿度が高いため汗が乾きづらく、体に熱がこもりがちになるからだ。

 その分、体は血液をより多く回して放熱しようとし、心臓や血液に負担がかかる。負担に耐えられなくなって起きるのが、熱中症のほか、脳梗塞など循環器系の病気だ。

 和田さんは「熱中症は、暑さのピーク時より急に暑くなった時のほうがなりやすい。梅雨の晴れ間などは要注意」と話す。

 気象予報士の村山貢司さんは、各家庭でできる梅雨時の健康対策として〈1〉風を通す〈2〉湿度を下げる〈3〉温度を少し下げる――を挙げる。窓は、風が通りやすいよう2か所以上開ける。雨が強い時は、換気扇と扇風機を活用して風を作る。湿度は、エアコンや除湿器を使って、60%以下になるよう調節すると、気温は多少高くても不快感は防げる。

 温度は「暑くない」程度でいい。省エネと健康のため、村山さんは、冷房を使い始める時期を少し遅くすることを勧める。

 「暑さに体をゆっくり慣らしていけば、暑さへの適応力がつき、熱中症などの発症も減らせる。ただし、とても暑い時はやせ我慢しないでください」

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