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舌の「白板症」が心配

 昨年末、舌の裏に幅1センチ、長さ1・5センチほどの白いでき物ができ、「白板症」と診断されました。悪性ではないそうで経過観察していますが、いつかがんになるかもしれないと言われ、不安です。(45歳男性)

がん化の確率3~5%

柴原 孝彦 東京歯科大千葉病院 口腔(こうくう)外科教授(千葉市)

 白板症とは、口腔内の粘膜によくみられる白っぽい病変の総称です。口腔粘膜を覆う上皮のうち、最も上の「角化層」が厚くなり、白っぽく見えるのです。

 主な原因は喫煙、飲酒などによる粘膜の劣化、不適合な入れ歯や詰め物、悪いかみ合わせなどによる粘膜への刺激が挙げられます。大半は30歳以降に発症し、年齢とともに増え、男性に多い傾向があります。

 平らなもの、凸凹なもの、全体が白いもの、白い部分と赤い部分が混在しているものなど、様々なタイプがありますが、口内炎のように痛んだりしみたりなどせず、無症状です。口内のどこにでもできますが、特に口角(唇の両端)やほおの粘膜、舌に多くみられます。

 白板症は、将来的にがんになる可能性のある「前がん病変」です。角化層が厚くなる過程で異常な細胞が現れ、がんができることがあるのです。白板症ががんになる割合は3~5%程度です。白板症が現れてからがんになるまでの期間は数か月~数年とされています。

 治療は、病変部の切除が最も有効です。でも、必ずがんになるとは限らないので、経過観察するのも一つの方法です。主治医とよく相談して決めてください。ほかにビタミンAの服用やステロイド剤の塗付などの方法もありますが、大きな効果は期待できません。

 日頃から禁煙、節酒や、不適合な入れ歯を直すなどの口腔ケアをして、白板症を予防することも大切です。

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