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パネルディスカッション(2)加齢に対する備えが必要

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第6回 医療機器市民フォーラム

 主催 : 医機連(日本医療機器産業連合会) 、 医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)
 後援 : 内閣府、厚労省、経産省、文科省、日本眼科啓発会議

パネリスト

 根木  昭   氏  (日本眼科学会理事長)
 永本 敏 之  氏  (杏林大学医学部眼科教授)
 富田 剛 司  氏  (東邦大学医学部眼科教授)
 湯澤 美都子 氏  (日本大学医学部眼科教授)
 白井 正一郎 氏  (日本眼科医会副会長)
         コーディネーター  前野 一雄  (読売新聞東京本社 編集委員)



< 加齢黄斑変性 >

 
日本大学医学部眼科教授 湯澤 氏

 【前野】 以前、加齢黄斑変性は主に欧米の病気で、日本には極めて少ないという認識を持っていました。急激に増えている原因として、たばこ以外に何が考えられますか。

 湯澤 年を取った人が増えた点が一番大事なことです。もう一つ、加齢黄斑変性になりやすい環境要因が増えたのではないでしょうか。イタリアの報告では、いなか町で自分たちが捕ったり、作ったりした魚や野菜を食べている人たちに比べ、そこから都会に出て暮らしている人の方が加齢黄斑変性になりやすかったという結果でした。

 【前野】 画期的な治療法のひとつである抗VEGFの注射は、どのようにするのですか。

 湯澤 白目の所から細い針を刺して少量の薬の注射をします。そういう治療を1か月に1回を計3回、3か月で3回のワンセットで、通院で行えます。3回すると視力が上がると報告されています。その後は1か月に1回経過を診て、所見が悪ければ注射をします。

 【前野】 どこでも受けられる治療法になっているのですか。

 湯澤 注射自体は白内障の手術をされる施設であれば可能です。しかし、注射をする判断や経過観察などがあります。もし目の中にばい菌が入った時など、ちゃんと治療できる施設で行われます。

 【前野】 治療費は、いくらくらいですか。

 【湯澤】 注射1本するのに18万円くらいかかります。3回1セットですから、それを保険負担の1割、3割としてかけると必要な費用になります。

 【前野】 光線力学療法はいかがですか。

 湯澤 光線力学療法をやれる資格がないとできず、専用のレーザーを備えた施設に限られます。大学病院、市中病院でも大きいところで治療がされています。

< 加齢に対する備え >
 
日本眼科学会理事長 根木 氏

 【前野】 プログラムコーディネーターの根木先生、3先生の講演を総括してください。

 根木 白内障、緑内障、加齢黄斑変性は、すべて高齢の病気です。加齢に伴う病気です。これからの私どもは、加齢に対する備えが必要です。初期は、いずれも痛いとか急に見えなくなったとかの自覚症状はあまりありません。

 しかし、確実に年はとります。例えば、目の情報を脳に伝える神経線維は100万本あります。加齢によって1年間に5000本ずつなくなっていきます。もし寿命が延びて200歳まで生きるようになったら、みんな見えないのです。

 
日本眼科医会副会長 白井 氏

 病気はそれを加速します。それには日頃から注意する。初期に見つければ、かなり手当てできるわけです。40歳を超えたら一度チェックをして、目に良い日常生活をおくることが、医療費も上げない、そして自分のためにもなります。

 【前野】 加齢には備えが必要です。白井先生のコメントを。

 白井 わが国では164万人の視覚障害の方がおり、年間コストは約8兆8000億円と試算されます。医療費や生産性の低下、家族のケア、そしては患者自身のQOL(生活の質)の低下の総額です。

 2030年には202万人に増えて、約11兆円かかると推定されます。そうならないために早期発見が重要になります。成人の目の検診プログラムを創設して、疾病のコストを下げることが国民経済上も非常に重要な視点だと思います。(続く)

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