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要介護・予備軍の「ロコモ」、筋肉鍛える予防運動で足腰シャキッ
足腰の骨や筋肉、関節などの運動器が衰えると、自立した暮らしが難しくなる。運動器の障害で、要介護やその予備軍になっている状態は「ロコモティブシンドローム」と呼ばれ、予防や改善を目指した運動が提唱されている。
ロコモティブシンドローム(ロコモ)を訳すと、運動器症候群。骨や筋肉、関節などの運動器が弱まり、立つ、歩くといった動作が難しくなり、介護が必要な状態や、将来、要介護になる危険が高い状態をいう。
埼玉県の主婦(66)は昨年、ロコモ予防を呼びかける「NPO法人高齢者運動器疾患研究所」が開く講習会に参加した。「年を重ねても、自立した生活を送りたい」。片脚で立っていられる秒数や、10メートルを歩く速さなど7項目を測定。足腰を強化する運動「ロコトレ」の指導も受けた。
昨年末から、講習会で習ったロコトレを毎日、実践。3月に運動機能を測定すると、昨秋より結果が向上していた。主婦は「歩くスピードが速くなり、階段の上り下りも楽になった」と実感している。
ロコモ予防は2007年から、日本整形外科学会が提唱。発案者の一人で、千葉県柏市の名戸ヶ谷病院の整形外科医、大江隆史さんは「要介護や要支援になる原因の約4分の1は、運動器の障害。骨折などが一度治っても、意識して運動に取り組まないと、違う障害を起こす例も多い」と話す。ロコモを予防したい人や運動器に衰えがある人に、ロコトレを勧めている。
一つは、片脚立ち=イラスト上=。床に着かない程度に片脚を上げる。左右1分間ずつ、1日3回。ふらついても、すぐに手がつける机の横などで行う。転倒が心配な場合、まず両手を机について試し、それができたら、指だけを机につくなど、少しずつ腕の支えを少なくしていくといい。
もう一つは、スクワット=イラスト下=。両足を肩幅より広めに開き、つま先は約30度外側に開く。体重が足の裏の真ん中にかかるようにお尻をゆっくり下ろし、ゆっくり上げる。深呼吸をするペースで、5~6回繰りかえす。これを1日3回。いすの前で行う。支えが必要な場合、お尻を下ろし過ぎないようにしたり、いすに腰かけて、机に両手をついて腰を浮かしたりしてもいい。
ロコトレで足腰の筋肉をバランスよく鍛えると、膝などの関節にかかる負担が減る。骨にも適度な負荷がかかるため、骨粗しょう症の予防にもなるという。大江さんは、「尻や太ももなど下半身の大きな筋肉は、散歩や家事では強化しにくく、45歳以降に衰えやすい。筋肉は回復も早いので、『年のせい』とあきらめないで、足腰を鍛えてほしい」と話している。
ロコモの判定には、七つのチェック項目=別表=が目安になる。腰や関節に痛みを伴ったり、筋力の衰えが顕著だったりする場合は、ロコモが疑われるため、まず整形外科医に相談する。関節の軟骨がすり減る「変形性関節症」などの可能性がある。運動については医師の指示に従いたい。
ロコモチェック |
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〈1〉片脚立ちで靴下がはけない 〈2〉家の中でつまずいたり、滑ったりする 〈3〉階段を上るのに手すりが必要 〈4〉横断歩道を青信号で渡りきれない 〈5〉15分間ほど続けて歩けない 〈6〉2キロ程度(1リットルの牛乳2本)の買い物 をして持ち帰るのが困難 〈7〉掃除機の使用や布団の上げ下ろしなど、重い家事が困難 |
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