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講演(3)加齢黄斑変性…生活の質、著しく下がる

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第6回 医療機器市民フォーラム

 主催 : 医機連(日本医療機器産業連合会) 、 医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)
 後援 : 内閣府、厚労省、経産省、文科省、日本眼科啓発会議


講演者 : 湯澤 美都子 氏  日本大学医学部眼科教授

 1975年日本大学医学部卒業。Nijmegen大学留学後、日本大学医学部講師、助教授を経て、2003年より現職。


 患者さんはどんなことを感じているのか? 「真ん中がゆがむのです」というのは軽い人、「真ん中が暗く見える」はちょっと進行した人、「ほとんど字も読めないし、真ん中は何も見えない」というのは、とても進行した人です。

 
 
 
 
 
 
 

 [右図-上]は眼科の疾患別にQOL(生活の質)を比べたものです。加齢黄斑変性は、目が痛いことと、周辺部の見え方を除く全ての項目で一番悪いです。つまり視力が落ちて、見たい所が見えなくなって、生活の質が著しく下がる病気です。

 加齢黄斑変性には、滲出(しんしゅつ)型と萎縮型の二つのタイプがあります。滲出型は、黄斑部に新生血管という新しい血管ができて、血が出たり、血液の中の水分が出たりする病気です。萎縮型は、黄斑の網膜と脈絡膜が徐々に傷んでいき、少しずつ見えなくなっていく病気です。

 治療は、新生血管に対して行います。新生血管が黄斑の真ん中(中心())の外なら、熱レーザーで新生血管を焼きつぶします。新生血管が中心窩にある場合には、光線力学療法と抗VEGFが最新治療として行われています。

 光線力学療法は、まず「ベルテポルフィン」という薬を腕の静脈から注射します。この薬は異常血管にたくさん取り込まれる性質があり、次に特殊なレーザーをベルテポルフィンが取り込まれた新生血管に照射します。これによって、新生血管を詰まらせてしまうものです。

 次に抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬の眼内注射です。新生血管が生えるには、VEGFが血管の壁に作用します。抗VEGF薬を目の中、硝子体に注射してVEGFをブロックする治療法です。この治療が優れているのは、視力が上がる可能性が高いことです。

 日本人ではどれぐらい患者さんがいるのでしょうか? 九州・福岡県久山町での研究 [右図-下]です。久山町は日本の人口構成とすごくよく似ています。それから換算すると平成10年から平成19年の9年間で患者数が約2倍に増えています。

 どうして加齢黄斑変性になるのか? 一つは遺伝、遺伝子も見つかってきています。ただすごく弱い遺伝と言われています。環境の中で確実なのは、たばこ、日光曝露(ばくろ)です。たばこはやめましょうということになります。(続く)

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