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講演(1)白内障…高齢化社会で増加、年100万件手術

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第6回 医療機器市民フォーラム

 白内障、緑内障、加齢黄斑変性 「目の病気 ―― 予防・診断・治療の最前線」 が1月15日「東京・有楽町のよみうりホール」 、 2月5日「名古屋市のテレピアホール」 で開催されました。その模様を紹介します。

 主催 : 医機連(日本医療機器産業連合会) 、 医療技術産業戦略コンソーシアム(METIS)
 後援 : 内閣府、厚労省、経産省、文科省、日本眼科啓発会議


講演者 : 永本 敏之 氏 杏林大学 医学部眼科教授

 1983年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部眼科学教室に入局、86年国立霞ヶ浦病院眼科医長、93年岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所 特別協力研究員、96年ワシントン大学医学部眼科研究助手、2002年杏林大学医学部眼科助教授。08年より現職。


 日本の失明原因は、緑内障がトップですが、世界の失明原因を見ると、2002年の統計では白内障が47.8%とトップ。しかも、失明原因の約半分は白内障という現状です。

 白内障の頻度はどれぐらいなのか。白内障は40歳代で20%くらいの方が始まります。50歳代で45%、60歳代で65%、70歳代で80%、80歳代になると約90%が白内障になってしまいます。年を取れば白内障は避けられない問題で、日本は高齢化社会を迎えるにあたり、白内障が非常に増えています。白内障の手術件数もどんどん増えていて、年間約100万件行われています。医療の中でも最も多い手術件数になっています。

 白内障とは、目のレンズ(水晶体)が濁ってしまう病気です[右図-上]。本来透明でキレイなレンズが濁ってくるわけです。人はレンズの真ん中を通して物を見ていますので、真ん中が濁ることで視力低下が起こります。

 白内障の診断は医療機器・細隙灯顕微鏡を使います。非常に細くした光を目の中に当て、それを顕微鏡で拡大して観察し、主に目の前の部分(前眼部)を見ることができます。細い光が透明な部分を通っていくと、断面図に濁りがあるなどで診断します。

 白内障の原因は多種多様です[右図-下]。中でも全身疾患により起こるものがあり、糖尿病が代表的です。急増している糖尿病に伴う白内障も増えてきています。最も多いのは加齢性の白内障です。

 次は白内障の治療法です。薬で治らないかな?というのが皆さまの願いですが、残念ながら白内障が治る薬はまだ開発されていません。長い時間たつと白内障が少しずつ進んで、結局は濁ったレンズを取って、その代わりに眼内レンズと呼ばれる人工レンズを入れる手術が行われています。この技術は、ここ20年で目覚ましい進歩を遂げてきました。

 目を切る手術は痛いのではないか、と思われがちですが、ほとんどの人は手術中に痛みを感じません。通常30分以内で終わります。傷も小さくて安全なので、入院しなくてもできるようになってきました。

 一度手術をしたらもう白内障にならないのかという質問を受けますが、90%以上はもうなりません。ところが8%ぐらいに後発白内障が出てくることがあります。その場合、外来でレーザー照射するだけで、3分くらいで終わる痛くもない治療です。

 目のレンズを入れ替えるのだから、手術したら眼鏡は要らないのではないかという方がいますが、これは間違いです。通常、眼鏡は必要です。(続く)

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